会社員のおおよそ2~3%を占める派遣社員。どれくらいの給与を得て、どれくらいの年金を手にできるものなのでしょうか。厚生労働省の統計から紐解いていきます。
派遣社員「平均手取り24万円」…正社員との格差を実感する「将来もらえる年金額」

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派遣社員の平均月収は意外と多い?

厚生労働省『労働者派遣事業報告書』(2020年)によると、派遣社員は約193万人。2013年以降は、全労働者の2~3%を占める程度で推移しています。派遣社員が最も多い業務は、一般事務で21.6%。製品製造、情報処理と続きます。

 

派遣社員の賃金(8時間換算)は、平均1万5,590円。1ヵ月の労働日数が20日だとすると、月収は31万1,800円、手取りではおよそ24万円。年収にすると374万1,600円でした。業務ごとの賃金をみていくと医師等が最も高く時給2万9,791円。全平均の2倍の賃金を得ています。ほか、船舶・航空機運転従事者、建築・土木・測量技術者と続きます。

 

【派遣労働者の割合が高い業務】

  • 一般事務従事者:21.6%
  • 製品製造・加工処理従事者:15.3%
  • 情報処理・通信技術者:9.5%
  • 機械組立従事者 :4.9%
  • 運搬従事者4.2%
  • 事務用機器操作員 :3.8%
  • 営業・販売事務従事者 :3.7%
  • 製造技術者:3.5%
  • 製品検査従事者 :3.3%
  • 介護サービス職業従事者 :2.0%

 

出所:厚生労働省『労働者派遣事業の令和3年6月1日現在の状況(速報)』

 

【派遣労働者の賃金が高い業務】

  • 医師、歯科医師、獣医師、 薬剤師:29,791円
  • 船舶・航空機運転従事者:20,378円
  • 建築・土木・測量技術者 :19,873円
  • 情報処理・通信技術者:19,779円
  • 法人・団体管理職員:18,372円
  • 法務従事者:18,880円
  • 経営・金融・保険専門職業 従事者:18,657円
  • 建設従事者(建設躯体工 事従事者を除く) :17,295円
  • 電気工事従事者:17,809円
  • 製造技術者 :16,476円

 

出所:厚生労働省『令和2年度 労働者派遣事業報告書の集計結果』

 

正社員と比較してみましょう。正社員の月収は35万3,000円、手取りでは27万円。賞与も含めた年収は522万8,000円。月収ではそれほど給与差はないものの、賞与の部分で差がつき、派遣社員とは年150万円程度の給与差が生じています。