コロナ禍、ウクライナ問題と厳しい状況下、わたしたちの給与も厳しい状況にあります。それは民間企業の賃金に準じる、国家公務員の給与も同じこと。エリートのイメージが強い国家公務員の給与事情と定年後についてみていきます。
「平均年収664万円」だが…定年後「本当に生活が苦しい」、エリート国家公務員の末路

国家公務員の定年後…生活にゆとりがなく、赤字が続く

そんな国家公務員の定年後について、人事院『令和2年退職公務員生活状況調査』でみていきましょう。

 

定年後、完全にリタイア(収入を伴う仕事についていない)した人は、独身で19.4%。夫婦二人世帯で31.0%。一方、何かしら収入を伴う仕事をしている人は、独身者で8.3%、夫婦のみの世帯で36.5%*。

 

さらに家計の状況についてみていきましょう。生活にゆとりがある(「十分ゆとりがある」「いくらかゆとりがある」の合計)と回答したのは、独身者で27.0%、夫婦二人世帯で18%。一方で生活にゆとりがない(「毎月のやりくりに苦労しており、時々赤字が出る」「毎月のやりくりに苦労しており、時々赤字が出る」の合計)と回答したのは、独身者で37.0%、夫婦二人世帯で38.0%です*。

 

*未回答なども含むため、合計100%にはならない

 

国家公務員というと、「官僚」というイメージが強いからでしょうか。エリートで高給取り、というイメージを持っている人が多く、羨望の眼差しを送られる存在です。

 

しかし給与は民間企業に準じるものであり、突出して高収入、ということはありません。また年金制度も一般の会社員と同様に「国民年金+厚生年金」が基本。老後を見据えて自助努力を促されています。

 

そしていざ老後を迎えたとき、3人に1人が「生活にゆとりがない」という始末。そこには「国家公務員=エリートで高給取り」というイメージはありません。