リノベーションとは、「古くなった建物や部屋に大規模な工事を行い、物件価値を高めること」といわれます。特にリノベーションでキーワードになるのは「不動産価値の再生」で、単に古くなった建物をリフォームによって原状回復するのではなく、それまでにはなかった新しい付加価値を創造するところが大きなポイントです。リノベーションによって新たな付加価値を創りだすことで人気を高めることができれば、家賃アップの現実味も増しますが、実際はどの程度高く設定できるのでしょうか。考えてみましょう。
相場は9万8,000円だが…リノベーションで上げられた驚きの「家賃」

リノベーション家賃アップ事例

 

1.都内ワンルーム

 

東京都世田谷区内の中古ワンルームマンションをリノベーションによって再生した事例です。リノベーション前は畳敷きの部屋と押し入れという間取りで、築年数が30年を超えている物件にありがちな仕様でした。それまでの家賃相場は9万8,000円です。

 

【リノベーション内容】
このリノベーションでコンセプトとなったのは、「静かに洒落た、スローな空間」です。縦長の物件であることを活かして開放感と立体感を持たせるために中央にはカウンターキッチンを配し、これがアクセントとなっています。

 

キッチンスペースと居室を仕切るパテーションには沖縄産の花ブロックを用いるこだわりによって、東京のなかにあってリゾート空間で感じられる「スローな空間」を演出しています。

 

築30年以上でありながらこうしたオリジナリティあふれる空間を創造したことにより、リノベーション後の家賃は12万円となりました。もちろん入居中であり、22.4%もの家賃アップに成功した事例です。

 

[画像1]リノベーション事例1
[画像1]リノベーション事例1

 

2.都内ワンルーム

 

2つめにご紹介するリノベーション物件は、渋谷へ2駅の好アクセスを誇る三軒茶屋駅徒歩10分のワンルームマンションです。

 

この物件のコンセプトは、「明かりが灯る、三茶deおうちカフェ」です。このコンセプトにあるように内装デザインはまるでカフェのようなスペースです。この物件のリノベーション前の家賃相場は、10万8,000円です。

 

【リノベーション内容】
物件の内装を一目見て印象的なのは、コンクリートの表情が見える天井と、足場板が使われたフローリングです。

 

リノベーションは必ずしも新品同様にすることが目的ではありません。ファッションでいう古着感のようにUsed感を演出するのもカフェの雰囲気を醸し出すのに一役買っています。

 

なかなか住宅ではみることのないペンダントライトを灯し、それに照らされるキッチンカウンターは自宅にいながらにしてカフェのようなくつろぎを感じることができます。

 

リノベーション後の家賃は、12万3,000円です。リノベーション前と比較して13.9%の家賃アップに成功しました。

 

[画像2]リノベーション事例2
[画像2]リノベーション事例2