社会問題となっている、働かず、家にいても家事さえしない「ニート」と呼ばれる人たち。20~30代の若年層も多いですが、その上の氷河期世代でもその数は多く、社会問題となっています。なぜ彼らは働かないのか。その実態を厚生労働省などの資料から紐解いていきます。
氷河期世代の「ひきこもり」…未来さえも描けない、酷い実態

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働かな75万人の若者たち…その理由は?

Not in Employment、Education or Training

 

その頭文字をとったのが、いわゆる「ニート」。直訳すると、就業、就学、職業訓練、いずれもしていない人となります。また内閣府の『子供・若者白書』では、「15~39歳の非労働力人口(状況をかんがみて求職活動をしていない人など)のうち、家事も通学もしていない人」を「若年無業者」と表現しています。「ニート≒若年無業者」と考えていいでしょう。

 

厚生労働省『労働力調査』(2021年)によると、若年無業者は75万人。前年の87万人から大きく減りましたが、コロナ禍で飲食店などでアルバイト・パートだった層が再び就業したことによるものだと考えられます。

 

これらの人たちが、なぜニート状態にあるのか=求職活動をしないのか、内閣府の『子供・若者白書』でその理由を探っていくと、「病気・けがのため」がどの年代でも最も多くなっています。これは仕方がない理由で、回復すればニート状態から抜け出せる可能性は高いといえるでしょう。

 

それ以外の理由として多いのは、「探したが見つからなかった」「知識・能力に自信がない」。そのまま受け取れば、雇用環境が改善されたり、教育の機会を経れば、就業できる可能性が高いといえます。ただ個人の問題が大きなところではあるので、一概にいうのは難しいでしょう。

 

特に問題だといえるのが、「急いで仕事につく必要がない」と答えている人たち。これこそ、世間でイメージするニートそのもの。国は若年無業者等の支援として「若年無業者等集中訓練プログラム」を実施するなど就業をサポートしていますが、これらの人たちは、このようなサポートにのること自体難しく、ニート状態から抜け出すのは困難だといえるでしょう。

 

■就業希望の若年無業者が求職活動をしていない理由

  • 探したが見つからなかった:6.3%
  • 希望する仕事がありそうにない:4.9%
  • 知識・能力に自信がない:11.8%
  • 出産・育児のため:2.4%
  • 介護・看護のため:0.7%
  • 病気・けがのため:33.5%
  • 通学のため:0.4%
  • 学校以外で進学や資格取得などの勉強をしている:6.3%
  • 急いで仕事につく必要がない:7.3%