現役と浪人…生涯賃金はどれくらいの差があるのか?
親としてはもうひとつ「現役で大学に行ってほしい」という思いがあるかもしれません。それは生涯賃金。進学が遅くなれば、当然、生涯で手にする手取りは少なくなります。社会に出てからの厳しさを知っているからこそ、「浪人をしてほしくない」という人は多いでしょう。
しかし「現役と浪人、どれくらい生涯賃金が違うのか?」と子どもに反論されたら、どう答えるでしょうか。「社会人の期間が減るのだから、手取りがへるのは当然だろ」と答えに窮する人も少なくないでしょう。
厚生労働省『賃金構造基本統計調査』(2021年)によると、大卒会社員の平均給与は585万6,600円。年齢と共に給与はあがっていき、50代前半で800万円を超えます。
【大卒会社員(男女計)の年収推移】
20~24歳:3,284,200円
25~29歳:4,224,000円
30~34歳:4,954,300円
35~39歳:5,722,400円
40~44歳:6,408,700円
45~49歳:7,136,200円
50~54歳:8,238,100円
55~59歳:7,997,600円
60~64歳:5,575,800円
出所:厚生労働省『賃金構造基本統計調査』(2021年)より算出
現役と浪人、どれほどの生涯賃金に格差が生じるのか、みていくと、単純計算、1浪では300万円ほど、2浪では650万円ほど。3浪になると、1,080万円と1,000万円強の差が生じ、4浪では1,500万円強の給与格差が生じます。
この格差を大きいと捉えるのか、それとも意外に小さいと捉えるのか、人それぞれでしょう。また浪人をすることでより高い学歴を手に入れることができれば、この程度の年収差、簡単にひっくり返すことができるかもしれません。
大切なのは、親も子どもも納得できること。給与は判断のひとつの材料に過ぎません。よく話し合ったうえで、家族にとって最良の選択を目指しましょう。