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股関節周辺に「あれ?」を感じる人は、意外と多い
人間の体のなかで、もっとも複雑な動きをする股関節。歩いたり、屈んだり、座ったり、さまざまな動作を自在に行うことができるのは、股関節の動きがスムーズだから。反対に、股関節の機能が衰えると、これまで当たり前のようにできたことが急にできなくなったりします。また、不意に違和感やつまりを感じるシーンも増えてきます。
痛みや違和感を放置すると、人工関節が必要になることも
股関節に違和感やつまりを感じても、多くの場合、歩き始めや屈む動作をしたときなど、「一瞬」で終わってしまいます。そのため、その違和感が股関節に原因があるかどうか、自分で見極めるのは難しいかもしれません。
しかし、股関節の異常のサインを見逃してしまうと、知らないうちに症状が悪化して、将来歩行困難になり、人工関節が必要になったりすることもあります。どんな病気にもいえることですが、股関節の異常は特に「早期発見、早期治療」が大切なのです。
もしかして股関節異常?すぐに試したいセルフチェック
股関節に異常があるかどうか見極めるために、次のセルフチェックを行ってみてください。当てはまると思うものにチェックを入れ、最後にチェックのついた項目の数を数えます。
3問以上当てはまったら、整形外科の受診を検討することをお勧めします。
□運動をしたあと、太ももの付け根やお尻の横が痛い
□スカートやズボンの丈が左右で合わない
□整体やマッサージで「左右の足の長さが違う」と指摘されたことがある
□歩いているとき、体が左右に揺れていると指摘されたことがある
□階段の昇り降りがしづらい
□子供のころからあぐらをかくことができない
□家族または親戚に、股関節の疾患を抱えている人がいる
□靴下や靴が履きづらいと感じる
□足の爪を切りづらい
□寝返りを打つとき、太ももの付け根が痛いことがある
□屈伸運動をすると、脚が痛い
□安静にしているときでも、太ももの付け根あたりが痛い
□痛みがあるためなにもしたくないと感じる
特に、「この3項目」に要注意!
上記のセルフチェックのなかで、次の項目にチェックが付いた人は、特に、股関節に異常がある可能性があるので気をつける必要があります。
・整体やマッサージで「左右の足の長さが違う」と指摘されたことがある
・歩いているとき、体が左右に揺れていると指摘されたことがある
これらのうちひとつでもチェックが付いた人は、「変形性股関節症」の可能性があります。これは文字通り、股関節が変形していること。それによってさまざまな不具合が生じる病気です。
変形性股関節症は、股関節の軟骨がすり減ったことが原因で起こります。軟骨がすり減ると、股関節の骨が変形してしまいます。そのため、痛みや違和感が生じたり、動かしにくくなったりします。
変形性股関節症になると、関節が亜脱臼したり、大腿骨頭という骨が潰れたりして、左右の脚の長さに違いが出やすくなります。その結果、スカートやズボンの丈の長さが左右で合わなくなったり、歩いているときに体が左右に揺れていたりするのです。
変形性股関節症は、遺伝する可能性も
さらに気をつけたいのは、変形性股関節症は「遺伝する可能性もある」ということです。
特に女性は生まれつき股関節がずれていたり、骨盤の発育が不全だったりすることが多く、女性が変形性股関節症を発症する場合は、遺伝的要因が引き金となっているケースが少なくありません。
もちろん、女性だけでなく男性でも、股関節の異常は遺伝する可能性があります。そのため、親や親族で股関節に疾患を抱えている人は、常に、自分の股関節の状態にも注意を払うことをお勧めします。
なにかちょっとでも「あれ、おかしいな」と感じたり、セルフチェック項目のなかでこれまで当たり前のようにできていたことが急にできなくなっている場合は、整形外科を受診しましょう。
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