なぜ「慢性副鼻腔炎」が長引く咳に繋がるのか?
ではなぜ、鼻症状を訴えない「慢性副鼻腔炎」が長引く咳に繋がるのでしょうか。
まず副鼻腔炎による炎症性の鼻水は粘稠度が高くなるのが特徴で、その鼻水が喉に流れ、痰が絡んでいるという自覚になります。そのため、痰(鼻水)を排除しようと咳払いをするようになるのです。 また炎症性の鼻水が下に流れることによって鼻、咽頭、喉頭粘膜も全体的に炎症をきたし腫れ上がります。腫れることで、刺激に対して敏感になってしまいます。
喋ることで声が響く、冷気を吸い込む、微細粒子(臭い粒子、大気汚染物質など)が付着する、といったことが刺激となって、前述の如く「迷走神経反射」によって咳が起きます。
さらに進行すると、気管支内にも炎症性の鼻水が流れ落ちて気管支でも炎症をきたしてしまい、慢性気管支炎や気管支喘息に発展してしまいます。
副鼻腔炎は幼少期から続いていることもあり、治療の開始が遅ければ遅いほど完治までに時間が掛かります。
現在、耳鼻咽喉科学会でも慢性副鼻腔炎のガイドラインが作成中です。今まで急性副鼻腔炎のガイドラインはありましたが、慢性に関してはなかったのです。
しかし「隠れ副鼻腔炎というものは5人に1人」という報告もあり、関心が高まっています。そのためガイドラインの作成も急がれているのです。
いかに早く「鼻の問題」をみつけ治療するかが非常に重要です。
杉原 徳彦
仁友クリニック 院長
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