「長引く咳」の隠れた原因…見落とされがちな「鼻の問題」【専門医が解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

「咳」が何週間も続く場合は、ただの風邪ではないかもしれません。なぜ咳が出るのか? 考えられる原因としては、咳喘息や気管支喘息、アトピー咳嗽、慢性気管支炎、逆流性食道炎など多岐にわたりますが、仁友クリニック院長・杉原徳彦医師は、様々な治療を試しても改善されない場合、実は「鼻」が原因となっているケースが非常に多いと指摘します。

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咳が長引く…原因として考えられる「疾患」は?

咳は続く期間によって「急性咳嗽(がいそう)」「遷延性咳嗽」「慢性咳嗽」と分類されています。

 

急性咳嗽は長くても数週間で治まる咳で、一般的には風邪など、ウイルス感染や細菌感染による急性炎症からの感染後咳嗽が多いとされています。3週間以上続く咳は遷延性咳嗽。8週間以上続く咳は慢性咳嗽とされ、多くは気管支や肺の病気が中心となります。胸部レントゲンやCTに問題がないかを確認する必要があり、肺癌や肺結核、間質性肺炎などの病気が画像上確認される場合はその治療が必要です。

 

今回、問題とするのは画像上まったく異常が認められない咳です。多い病気としては咳喘息や気管支喘息、アトピー咳嗽、慢性気管支炎、逆流性食道炎などが挙げられます。

どの疾患が原因?医師たちの鑑別方法・対処法

これらの鑑別には、呼吸機能検査、呼気一酸化窒素濃度測定、広域周波オシレーション法による気道抵抗測定、アレルギー素因の有無の確認、喀痰検査などを行います。逆流性食道炎を疑う場合は内視鏡検査を必要とすることもあります。

 

ただ、上記のような様々な評価をせずに、喘息治療で用いられる吸入ステロイドと気管支拡張薬(長時間作用型β2刺激剤)の合剤が処方されるケースが非常に多いのが実態です。

 

仮に肺結核や気管支結核、非定型抗酸菌症であった場合、悪化すると大変危険なため、本来なら最低限でも画像評価は行わなければなりません。

 

検査が難しいということで、診断的治療で経過をみることもあります。ガイドラインでもフローチャートが作成されていますが、1ヵ月以上続く咳の場合はしっかり検査をして調べるべきです。

 

咳喘息、気管支喘息であった場合、吸入薬を使用すると劇的に症状が改善するため、2週間使用しても症状が変わらない場合は咳喘息や気管支喘息ではないと判断すべきです。

 

アトピー咳嗽の場合は抗ヒスタミン薬、逆流性食道炎の場合はプロトンポンプ阻害剤を使用し、速やかに改善しない場合は他の疾患を疑う必要があります。

仁友クリニック 院長 

【学歴】
1994年 杏林大学医学部卒業
2001年 杏林大学医学部大学院卒業

【職歴】
1994~1997年  杏林大学医学部内科学Ⅰ研修医
1997年     杏林大学病院呼吸器内科専攻医
2000~2001年  東京都立府中病院(現多摩総合医療センター病院)呼吸器内科
2001~2005年  杏林大学病院呼吸器内科 助手
2005年~    仁友クリニック
2006年~    仁友クリニック院長

【専門医等】
日本内科学会認定医
日本アレルギー学会専門医
日本感染症学会ICD
日本体育協会認定スポーツドクター

【その他】
全日本スキー連盟アンチドーピング委員

【仁友クリニックHP(https://jinyu.or.jp/)

著者紹介

連載現役医師が解説!様々な「カラダの不調」への対処法

本記事は、最先端の「自分磨き」を提供するウェルネスメディア『KARADAs』から転載したものです。

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