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「心理的逆転」とは?
■比較的よく見られる「脳の混乱状態」
体調が悪い状態であれば、なんとか改善させたいと思うのが普通ですよね。
ところが、心が治ることに反対しているケースがあります。
受け入れがたいお話だとは思いますが、以前から心が反対するような脳の混乱状態のことは指摘されていて、解除することで症状の治りが早くなることが報告されています。
なぜ、そのようなことが起きるかというと、ひとつには、体調が悪いことで患者さんはなんらかの利益を得ているため、治ってもらってはかえって困ることがあるからです。
たとえば、ダイエットをしても、どうしても過食してしまう女性がいたとします。
本人は、やせたいと思っているのに、心では、ダイエットが成功してしまうことで、異性から好奇の目で見られてしまうのが恐怖で、「それなら太っていたほうがマシ」と心がダイエットに反対してしまう、ということが比較的多くみられます。
このように、心が治療に対してブロックしてしまう状態のことを、心理学博士のロジャー・キャラハン博士が、「心理的逆転」と名付けました(ロジャー・J・キャラハン著『TFT〈思考場〉療法入門』より)。
■「なかなか治らない病気・症状」の隠れた要因
意識と心が違うベクトルを向いていて、いわゆる、アクセルとブレーキを踏んでいるという状態は、特に長引いている慢性的な症状や病気に多くみられます。
「がん」では、90%以上の方に心理的逆転がみられたとのことでした。
心理的逆転があると、現代医療をはじめ心理カウンセリングなども一時的に効いたとしても、またすぐ症状が戻ってしまいます。
体調不良が長引いているときほど、本当に自分が治りたいと思っているのかどうかをチェックする必要があるというわけです。