国公立の医学部医学科50校について、2022年度前期日程の志願倍率は4.0倍となっています(m3.com)。志願者4人のうち合格者は1人と、難易度の高い国公立の医学部受験。こうしたなか、私立大学への志望校変更を検討する人も少なくありませんが、気になるのは6年間の学費です。大学によっては3,000万円近くも差が生まれている、私立大学の学費事情について、医系専門予備校メディカルラボ本部教務統括の可児良友氏が、データを交えて解説していきます。

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    1位は川崎医科大の半分未満!学費が安価な私大医学部

    次に、学費が比較的安価な私大医学部をみていきましょう。

     

    1位は「国際医療福祉大学」。学費は6年間で総額1,850万円となっています。本学は1995年平成7年)開学と比較的新しく、「日本初の医療福祉を専門とする総合大学」として、本部である栃木県大田原市のほか、千葉県、東京都、神奈川県、福岡県に1ヵ所ずつ、合計5キャンパス存在します。

     

    このうち千葉の成田キャンパスは国際性を重視する特区認定の趣旨により、医学部は定員数のうち約15%が留学生枠となっています。

     

    また、1年生後期から2年生にかけて英語・医学英語に特化した授業が行われ、さらに6年次には4週間以上の海外臨床実習を義務付けるカリキュラムで、約30の国・地域に協力施設を確保するなど、グローバルに活躍できる医療従事者の育成に力を入れています。

     

    続いて2位は「順天堂大学」。学費は2,080万円でした。本学医学部の特徴は、1年次は原則としてさくらキャンパスの学生寮に入寮し、共同生活を通じて人間教育を行っている点です。

     

    なお、順天堂大学は2008年に6年間学費を900万円値下げしたため、大学のボーダー偏差値が一気に上昇しました。その後、日本医科大学、昭和大学、東邦大学、東海大学、藤田医科大学なども学費を下げています。

     

    そのほか、6位の自治医科大学は、卒業後9年間指定された地域で従事すれば学費が免除されます。また、TOP10には入っていませんが、産業医科大学も卒業後の勤務条件を満たせば修学貸与金の返還が免除され、実質学費は6年間で約1,100万円になります。

     

    【学費が比較的安価な私大医学部ランキングTOP10】

     

    1位 国際医療福祉大学(18,500,000円)
    2位 順天堂大学(20,800,000円)
    3位 日本医科大学(22,000,000円)
    4位 慶應義塾大学(22,059,600円)
    5位 東京慈恵会医科大学(22,500,000円)
    6位 自治医科大学(23,000,000円)
    7位 東邦大学(25,800,000円)
    8位 昭和大学(27,922,000円)
    9位 関西医科大学(28,140,000円)
    10位 東京医科大学(29,833,800円)

     

    出所:メディカルラボ(2022年度私立大学学費ランキング)

    学費はもちろん大事だが…大学選びで必要なこと

    各大学は、カリキュラムや学内設備の充実、教育方針の拡充など、学生が学生生活のモチベーションアップにつながる努力を怠りません。また、そのような大学の附属病院や関連病院は、医師臨床研修マッチングでも上位に入っているようです。

     

    また、医師不足の対策として打ち出された「地域枠」の増加や、大学や自治体などによる奨学金・修学資金、あるいは医学部限定の高額教育ローンなどのさまざまな制度のサポートもあり、私大医学部にも一般家庭からの進学者が増加しています。

     

    医学部でいかに充実した6年間を過ごせて、医師国家試験合格後にどういう道を選択するかを考えるためにも、学費はもちろん多角的な面から大学を検討することにより「自分に合った大学」を見つけましょう。

     

    <<直近3年分…私大医学部の「高額学費」ランキングの全容はコチラ>>

     

     

    可児 良友

    医系専門予備校メディカルラボ

    本部教務統括

     

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