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金融庁の引き締め強化でフルローンは難しくなっているが…
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――頭金ゼロ円でアパート投資が行えるか
よく議論されるこのテーマ。自己資金なし、つまりフルローンでアパートを購入する、ということですが、手元に現金を残すことができる、レバレッジ効果が最大化できるなどのメリットが高らかにうたわれることがあります。
ただ2018年以降相次いだ不動産投資に対する不正融資により、金融庁の引き締めが強化され、金融機関はその指導にのっとり、審査基準を厳しくしました。それによりフルローンは減少したといわれています。
また融資限度額も物件価格の70~90%とするケースは多く、そのような金融機関ではフルローンを組むことは難しいでしょう。
金融庁『投資用不動産向け融資に関するアンケート調査』(2019年)によると、「物件の購入金額の一部を顧客の自己資金で賄わせているかどうか」の問いに対して、銀行の63%が「概ね2/3以上の案件で行っている」と回答。「一切行っていない」は5%だけでした。
一方で、フルローンで銀行融資を受けられるケースはあります。まずいわゆる「属性が高い人」。公務員や上場企業などに勤務している人、勤続年数が長い人など、属性が高い=返済能力が高い人は、フルローンを組める可能性があります。
保険や株式、預貯金、将来の退職金などを返済原資として評価する金融機関もあります。さらに不動産投資の実績があり、それらが成功している場合、プラスの評価を受けられるケースがあります。
またフルローンといっても、物件の購入時には「仲介手数料」「税金(印紙税、登録免許税、不動産取得税)」「各種保険」など、さまざまな諸費用がかかります。その額、物件価格の7~10%程度といわれています。それらすべても適用範囲内とするローンもありますが、金利の高さなどから推奨の声が少ないことは知っておいたほうがいいでしょう。