日本人の2割しかいない金持ちが、日本人の資産の6割を独占している
富裕層なんて浮世離れした人たちで、自分たちとは無関係……そう思っている人は多いでしょう。
そもそも富裕層の明確な定義はなく、よく使われているのが、野村総合研究所による世帯が保有する預貯金や株式といった金融資産から、負債を差し引いた額である「純金融資産保有額」によるもの。純金融資産保有額が1億円以上であれば「富裕層」、5,000万円以上であれば「準富裕層」、3,000万円以上であれば「アッパーマス層」、それ以下を「マス層」としています。さらに富裕層のなかでも純金融資産保有額5億円以上は「超富裕層」とされています。
世帯数でみると、超富裕層は8.7万世帯で日本の全世帯のうち、わずか0.2%。純金融資産保有額1億円以上の富裕層で124万世帯。日本の2.3%。準富裕層は341万世帯で6.3%、アッパーマス層は712万世帯で13.2%。それに対し、一般庶民であるマス層は4,215万世帯で、日本の78.0%を占めています。
しかし純金融資産保有額に注目すると、富裕層の保有額は97兆円で全体の6.2%。マス層以外の上流層の保有額は900兆円弱で、57.8%。つまり日本人の2割程度しかいないお金持ちが、日本人の資産の6割を牛耳っている、というわけです。
さらに三菱UFJ信託銀行『日本の富裕層マーケットに関する考察』では、富裕層を資産を形成した手段によって4つに分類。
まずは「①ストック承継型」。莫大な資産や事業を代々受け継ぐ資産家の系譜。いわゆる、創業家一族、などといわれている人たちです。
次に「②ストック成長型」で先鋭的な分野の起業に成功した実業家。ベンチャー起業家をイメージすれば、分かりやすいでしょうか。
そして「③フロー蓄積型」で給与所得を原資に着実に金融資産を積み上げた者。仮想通貨で億り人になった人たちは、着実に、というわけではありませんが、ここに分類されるでしょう。
最後に「④相続型」で親からの相続により金融資本を取得した者。一般庶民が一発逆転を狙えるなら、ここでしょうか。ただ親からの相続をあてにするには、いつになるのか分からない、といった問題があるでしょう。