酒害が気になるならまず「アルコール摂取量を記録」
医師から薬が処方されるとき、効果が出て副作用は出ないよう、飲み過ぎに注意します。また、健康になるために薬だけでなく、運動、栄養、睡眠に気を遣うことが必要です。
アルコールも同じで、ストレス対策や楽しみをさまざまな方法で行うことが、長く付き合うコツです。
酒害が気になる人は、まず、自分がどれぐらいアルコールを摂取しているのか計算して、記録をつけましょう。
お酒の種類によって度数が違うので、純粋なアルコールとして、どれぐらい摂取しているかを計算します。
■純アルコール換算量(g)=飲んだ量(ml)×度数×0.8(アルコールの比重)
※ビール500mlなら、500ml×0.05(アルコール度数5%として)×0.8=20g
「ハイリスク」飲酒から「ローリスク」飲酒へ
リスクゼロの飲酒量はありません。少量であっても飲酒量に比例して飲酒問題のリスクは高まります。
1日に男性60g(日本酒3合)以上、女性30g以上をハイリスク飲酒と呼びます。
ではローリスク飲酒はどの程度でしょうか? 純アルコール換算で男性20g(日本酒1合)、女性10g以下です。そして、週2日は休肝日をもうけることが推奨されます。
こんな量では物足りない場合、現在、特段の飲酒問題がなければ、男性40g、女性20gが、楽しさと健康維持を両立するギリギリの量です。
現在、なにかしら飲酒問題があって、計算して飲酒量が多ければ、減らすことをお勧めします。方法については、拙著(※4)をご覧ください。
いまの私は依存症?スクリーニングテスト
最後に、依存症かどうかを鑑別する簡単なスクリーニングテストを紹介します。以下の4つの問いに<はい>または<いいえ>で回答してみましょう。
- 飲酒量を減らさなければと感じたことがありますか?(Cut down)
- 人から飲酒を非難されて気に障ったことがありますか?(Annoyed by criticism)
- 自分の飲酒に後ろめたさを感じたことがありますか?(Guilty feeling)
- 神経を落ち着かせたり、二日酔いを治すために迎え酒をしたことがありますか?(Eye-opener)
英語の頭文字をとってCAGEと呼ばれており、世界中で使われています。
<はい>が2つ以上あれば、アルコール依存症の可能性があるので、早めに相談、受診しましょう。皆様の健康を祈念しております。
垣渕 洋一
東京アルコール医療総合センター
センター長
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