(※写真はイメージです/PIXTA)

「健康診断で不整脈を指摘されたけれど、放置している」という人も多いのではないでしょうか。しかし、あの元巨人軍監督の長嶋茂雄氏も「不整脈に由来する脳梗塞」に倒れるなど、脳梗塞や心不全、場合によっては突然死にもつながる「怖い不整脈」が存在すると、東京ハートリズムクリニックの桑原大志院長はいいます。「怖い不整脈」と、経過観察でOKな「怖くない不整脈」の違いについて、専門医の桑原院長がわかりやすく解説します。

以前は「ポックリ病」と呼ばれていた致死性の不整脈

突然死を引き起こす「ブルガダ症候群」

「ブルガダ症候群」とは、突然、夜間眠っているあいだなどに頻拍発作を起こす致死性の不整脈です。

 

40代以降の中高年男性(特にアジア人)に多く、以前は「ポックリ病」といわれていました。発作を起こすと心臓が痙攣状態になって、体に血液を送ることができなくなり、意識を消失し、場合によってはそのまま死に至ります。

 

怖い不整脈の予兆として「動悸」「息切れ」「めまい」があると前述しましたが、このブルガダ症候群の恐ろしいところは、そうした予兆がまったくなく、突然発作を起こす場合があるということです。

 

ただし、ブルガタ症候群の人は発作前に安静時の心電図ですでに異常がみられることがあります。検診等で「ブルガタ型心電図」と指摘される人がそれに当たります。

 

また、この「ブルガタ型心電図」を有し、なおかつ近親者に突然死した人がいる場合は、将来、突然死に至るブルガタ症候群の可能性もあり、注意が必要です。必ず医療機関を受診しましょう。

 

すでに失神発作を引き起こしブルガダ症候群であると診断された人、もしくは失神発作はないものの極めて高い可能性で将来失神発作を引き起こす可能性が高いと判断された場合は、「植え込み型除細動器(ICD)」による治療の適応があります。

 

子どもに多い「QT延長症候群」

「QT」とは心電図波形の一部分のこと。この部分が異常に延長し、失神や突然死を引き起こす疾患を「QT型延長症候群」といい、初回のイベントは、学童期から思春期に多く認められます。

 

運動中、精神的に緊張したとき、また目覚まし時計や電話のベルの音などの音刺激を誘引として、失神や眼前暗黒感を認めます。多くの場合、遺伝によって発症し、日本では2500人にひとりの頻度で発症するといわれています。

 

運動制限や薬物によって治療されますが、それらを行っても失神発作を引き起こすようならば「植え込み型除細動器(ICD)」の適応です。

 

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※本記事は、最先端の「自分磨き」を提供するウェルネスメディア『KARADAs』掲載の記事を転載したものです。