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「怠けているわけではない」起立性調節障害という疾患
起立性調節障害は、自律神経機能の低下によって起こります。
視床下部など、脳の中枢神経が機能変化し、血流などがコントロールされることが原因です。
小学校高学年から中・高校生までの思春期に好発し、朝起きられない、長時間起立時にめまい・動悸・立ち眩みが生じるといった症状が見られ、悪化すると不登校につながることもあります。
原因疾患は明らかではありませんが、自律神経の乱れには、思春期における心身の発育によるものに加えて、睡眠不足、運動不足、精神的ストレスなど多岐にわたる理由が挙げられます。「家族性」に発生する可能性があるともされています。
決して怠けているわけではありません。この疾患に対して保護者・学校教諭は理解を深め、適切な治療・生活習慣の改善に取り組み、学業に適切な配慮をすることが求められます。
では、起立性調節障害と診断された方の「治療法」「生活を送る上での対処法」にはどのようなものがあるのでしょうか。
薬も使用するが、メインの治療は「非薬物療法」
治療は、日常生活での対応等の「非薬物療法」と「薬物療法」に大別されます。
多くの症例では薬物療法のみでは改善が見込めないため、日常生活の改善から取り組みます。
●まずは「睡眠のリズム」を改善
日常生活においては、まず、十分な睡眠をとることが重要です。
思春期になると、就寝時間が24時を過ぎ睡眠不足となる傾向にあるうえ、就寝前にスマートフォンやパソコンを利用し、脳がブルーライトによる刺激を受けていることが多いです。
就寝時間が遅い場合には、1週間に30分程度ずつ前倒ししていく、就寝前のパソコンやスマートフォンなどの利用を控えて自然睡眠を促すことも重要です。