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女性の不妊要因は「原因不明が約60%」
日本の少子化が止まりません。政府も90年代から諸々対策を打ってはいますが、芯を捉えていないのかあまり成果があがっていない状況です。それどころかコロナの影響で少子化は今まで以上に加速したとの見解さえあります。
女性の社会進出に伴い晩婚化・晩産化が進むのは仕方ないでしょう。出産・育児を望まない夫婦の意思も尊重されるべきです。しかし、私が医師として健康診断や外来で出会う受診者のなかに「授かりたいのに授からない」方(ほぼ全員女性)が非常に目立つのが気掛かりです。
人工授精や体外受精といった妊娠を促す優れた技術「不妊治療」が広く行われ、いよいよ2022年4月には健康保険適応となりますが、残念ながら希望者のニーズを十分満たす結果には必ずしもなっていません。望む人が授からなくなっている「現代の不妊」の根本原因とはいったい何なのでしょうか?
WHOによれば男女別不妊要因のうち女性側要因が約60%を占め、さらに日本産婦人科医会の調べではそれらのうち卵管閉塞や排卵障害のような医学的理由が明らかでない「原因不明」例が約60%を占めています。
男性側要因も無視はできないとしても、女性側の要因として、なぜこれほどまでに原因不明が多いのでしょう。何か欠落している視点があるのではないでしょうか?
「日本の医学教育」の盲点…不妊問題を解くカギ
「分子栄養学」という学問があります。人の体内における健全な生化学反応の調節に、様々な栄養素がどのように関わっているかを追及する学問です。アメリカの生化学者ライナス・ポーリング(1901~1994)らにより確立され、主に北米で展開されていました。
日本へは、生化学者であった故・金子雅俊、あるいは物理学者の故・三石巌といった、医師以外の存在により持ち込まれました。
まがりなりにも四半世紀以上臨床経験を積んだ私がその内容を学んで気付いたことは、明らかに日本の医学教育の盲点となっている知見が多いことです。
原因不明とされがちな体調不良の多くが栄養の質的アンバランスで説明可能であり、それを血液検査や隠された症状により看破する術もあることに、驚きと興奮を覚えました。そしてそのなかに「不妊」を解くカギも含まれていたのです。
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