不動産投資のイメージとして「始めるために多額の資金が必要」「膨大な知識がないと成功しない」「金額が大きい分リスクも大きいのでは」といった懸念を抱く人も少なくありません。しかし、それらのイメージは誤っていると、リズム株式会社の資産コンサルタント、山崎博久氏はいいます。一部の富裕層だけでなく、年収500万円クラスの会社員など幅広い層が始めている不動産投資の「面白味」をみていきましょう。
収益物件の運用は単なる投資じゃない?不動産投資の「面白味」【資産コンサルタントが解説】

不動産投資初心者が覚えておきたい基礎知識

意外なものも含めて不動産投資の「面白味」を知っていただいたうえで、不動産投資によく登場する代表的な用語の解説をします。これらの用語の意味を知っておくことで、不動産投資への理解が深まります。

 

キャピタルゲイン

キャピタルゲインは価格が変動する商品の売買をすることで発生する利益のことです。2021年10月の岸田内閣発足時には、岸田総理がキャピタルゲインへの課税強化に言及 したことでにわかに注目を集めた「投資の利益」です。

 

不動産投資であれば、購入した物件が購入時よりも高く売れた時に発生するのがキャピタルゲインです。不動産は建物部分が時間の経過とともに劣化し資産価値が低下していくため一般的にはキャピタルゲインは発生しにくいのですが、土地の価格が上昇すると売却時に利益が出ることがあります。

 

不動産投資でキャピタルゲインを狙うのは本筋ではありませんが、あえてそれを狙うのであれば大都市圏の都心部や都心への交通アクセスに恵まれた立地条件の良い物件を狙うべきでしょう。

 

インカムゲイン

価格差を利用して狙う利益をキャピタルゲインと呼ぶのに対して、もっているだけで入ってくる配当や分配金などの利益のことをインカムゲインといいます。不動産投資では、家賃収入がインカムゲインに該当します。

 

インカムゲインの魅力は、ほぼ不労所得であることです。株の配当や投資信託の分配金、不動産の家賃はいずれも持っているだけで入ってくる利益であって、「もっておく」以外にすることはあまりありません。

 

不動産の場合は物件の管理や入居者の募集などを行う必要がありますが、こうした業務も管理会社に委託することができるので、家賃収入も限りなく不労所得に近いものであるといえます。

 

レバレッジ

レバレッジを日本語に訳すと「てこの原理」です。投資の世界でのレバレッジとは、少ない資金で大きな運用ができることを指します。先物取引やFXにはレバレッジがあるので、手持ち資金を証拠金として預け入れて数倍、数十倍の規模の運用ができます。

 

不動産投資にもレバレッジがあります。自己資金として物件価格の一部が必要になりますが、それ以外の資金は金融機関からの融資で調達することができます。

 

だからといって家賃収入が自己資金分しか入らないわけではなく、満額がオーナーのものになります。実質的に自己資金だけで不動産経営をしていることになり、これを不動産投資のレバレッジ効果といいます。

 

利回り

利回りとは投資における年間の利益率のことです。100万円を投資して1年で105万円になったのであれば運用益は5万円なので、利回り5%です。不動産投資でも同様に利回りを算出しますが、不動産投資の場合は大きく分けて2つの利回りがあります。

 

1つは表面利回りで、単純に年間に得られる家賃収入の合計を初期投資額で割って求めます 。2つめの実質利回りは、年間の家賃収入から物件の維持費や税金、ローン返済分などを差し引いたオーナーの手残りで利益率を算出します。

 

言うまでもなく実質利回りのほうが不動産投資の実際の姿を表しているので、物件選びにおいては実質利回りを用いて入念に収支をシミュレーションするようにしましょう。

 

 

山崎 博久

リズム株式会社

アセットコンサルティング事業部長

 

 

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