自営業者やフリーランスには国民年金しかありません。しかし、国民年金には年金を増やすしくみが用意されています。主なものに国民年金の任意加入や国民年金基金の活用のほか、付加年金、小規模企業共済などの制度も準備されています。ファイナンシャルプランナーの長尾義弘氏が『運用はいっさい無し!60歳貯蓄ゼロでも間に合う老後資金のつくり方』(徳間書店)で自営業者のための年金倍増計画を明らかにします。
活用しなければ損!自営業者が年金を倍増させるとっておきの方法【FPが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

【関連記事】年金300万円、貯蓄5000万円…ゆとり老後から貯蓄ゼロの理由

毎月400円、2年で元が取れる年金のメリット

自営業者は、国民年金しかありません。しかし、国民年金には年金を増やすしくみが用意されているのです。おまけにお得も盛りだくさん。主なものに国民年金の任意加入や国民年金基金がありますが、ほかにも制度がありますので紹介していきましょう。

 

■2年で元が取れる付加年金のしくみ

 

公的年金の第1号被保険者の人がもっとも手軽に年金を増やせる方法が「付加年金」です。

 

毎月の掛金はわずか400円! しかも2年で元が取れます。

 

付加年金は、国民年金の保険料に400円をプラスして納付します。受け取る金額は、「200円×加入した月数」で計算します。

 

仮に、10年間(120カ月)加入したとしましょう。

 

支払った保険料 4万8000円
付加年金の金額 年額2万4000円

 

基礎年金に2万4000円上乗せした金額を、一生涯受け取れます。

 

保険料と受給額をよく見比べてください。受け取り始めて2年目には、支払った保険料と同じ金額になります。あとは得するのみです。

 

付加年金は国民年金に上乗せするしくみなので、最長40年間(480カ月)の加入が可能です。

 

40年間、保険料を納付すると、支払い総額は19万2000円です。一方、付加年金は年額9万6000円です。どれだけ積み上がっていくか、年数を追って見てみましょう。

 

 

19万2000円が、368万8000円へ。なんと20倍になって戻ってきます。65歳以降は毎月8000円が受け取れます。

 

付加年金の受け取り額は定額なので、物価スライドには影響されないところもいいですね。

 

ちなみに、基礎年金を繰下げ受給すると、付加年金も同じように増額されます。70歳まで繰下げれば9万6000円が42%増額され、13万6320円になります。付加年金の条件に該当している人は、「使わないと損」と言っていい制度ですね。

 

このように付加年金は超お得な制度なのですが、なんといっても金額が小さい点がネックです。基礎年金の満額78万900円(2021年度)と、付加年金マックスの9万6000円を合わせても、87万6900円。生活するには足りません。付加年金をつければ安心とまではいかないのです。

 

出典:長尾義弘著『運用はいっさい無し!60歳貯蓄ゼロでも間に合う老後資金のつくり方』(徳間書店)より。
出典:長尾義弘著『運用はいっさい無し!60歳貯蓄ゼロでも間に合う老後資金のつくり方』(徳間書店)より。

 

【オンライン開催(LIVE配信)】2/19開催
「トレーラーハウス」を活用した新しい資産運用
賃料収入、短期償却、社会貢献して利回り15%以上
詳しくは>>>