FX取引に慣れてくると、「海外FX業者」を通して取引する人も増えてきます。また最近は初心者に向けて海外業者を勧める広告も多く、初めから海外のFX業者を利用する猛者も存在します。しかし海外FX業者には多くのリスクを内包しています。みていきましょう。
なぜ「海外FX業者」はキケンなのか?プロFXトレーダーが実情を解説 ※画像はイメージです/PIXTA

海外FX業者を利用すると出金トラブルが多い

次に紹介するのは、海外のFX業者を利用した場合に想定できるトラブルについてです。

 

海外FX業者を利用する際のトラブルとして最も多いのが「出金に関するトラブル」です。口座開設して資金を口座に入金したあとにFX取引を開始するという部分については同じです。

 

しかし、取引で利益を得たあとに業者の口座から自分の銀行の口座に出金をする際に拒まれることがあります。

 

これが海外のFX業者を利用した際に起こりやすいトラブルとなっています。出金できない理由は様々ですが、場合によってはアカウント凍結などの処理が行われて、利用者からは何の対応もできなくなることも多いです。

 

出金トラブルが起きた場合は自分が利用しているFX業者と交渉をするか、その国の司法機関に訴訟の手続きをしなければいけません。

 

そのためには弁護士への依頼や状況の説明などが必要となるので、一般人にはほとんど不可能でしょう。

 

このように、海外のFX業者を何も知らないで利用すると、大きな被害を被る可能性がありますので、その点に関しては気をつけなければいけません。

FXプロトレーダーが海外の業者を利用していることが多いのも事実

ここまでは海外のFX業者を利用するのは危険だという話をしてきましたが、実際にFXのプロトレーダーは海外の業者を利用しているケースが多いのも事実です。

 

これは日本のFX会社と比較するとレバレッジの倍率が大きくなっているためです。

 

日本と海外のFX会社を比較すると海外の業者のほうが、スプレッドが広く取られていることが多いので、そのことだけを考えるとマイナスになる可能性が高いように感じられます。

 

しかし、日本でのレバレッジの最高倍率が25倍となっているのに対して、海外では数百倍~千倍以上というレバレッジを利用することができるので、スプレッドの差を超えるプラスを安定して出しているのならば海外の方がいい、ということです。

 

プロトレーダーが海外のFX業者を判断するポイントは何点かありますが、主に下記の3点が挙げられます。

 

  • 正式に登録されている業者なのか
  • サポートの充実度
  • 出金トラブルなどの被害報告が無いのか

 

主にこのようなポイントとなっていて、海外の業者だからといって一律にすべての業者が危険だということではありません。

 

情報を正しく精査することができれば海外の業者でも日本の業者と同じように利用することができるので、その点に気をつけて利用するようにしたほうがよいでしょう。

 

まとめ

今回は、海外のFX業者の危険性について紹介しました。

 

プロのトレーダーは海外の業者を利用しているケースが多いのですが、これはリスク管理ということでもあります。

 

1社にすべての資金を投入してしまうと、そのFX会社が何らかのトラブルを起こした場合にすべての資金が凍結されることになります。

 

そのため、海外の業者だけではなく国内のFX会社も含めて複数のFX会社を利用するのが基本となっているので、リスク管理をキッチリとやりながら取引をしてください。

 

 

清水 一喜

株式会社ソーシャルインベストメント 執行役員

 

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