東京都心では、マンション価格がバブル超え。「そんな高いマンションを買えるか……」と思わず悪態をついてしまう水準です。いま、会社員が買える街とは。今回、焦点をあてるのは、東京と神奈川の境にある「多摩境」。
ランキング急上昇「多摩境」…本当に「住みやすい街」なのか? ※画像はイメージです/PIXTA

リニア駅開業控える隣駅「橋本」ではなく「多摩境」を選ぶワケ

「多摩境」の隣は、京王相模原線の終点「橋本」。駅前は再開発が進み、相模原市の拠点のひとつに数えられるほか、リニア中央新幹線の駅も造られる予定で、俄然注目が集まっているエリアです。

 

このことも「多摩境」人気を高めている要因だとか。中古マンションの価格を比較すると、「多摩境」は平均2,861万円。平米単価33.83万円です。それに対して「橋本」は2,579万円で平米単価は43.83万円。「多摩境」周辺で売買されているマンションはほぼ3LDK以上のファミリータイプです。「橋本」周辺では単身者用物件も豊富で平均価格を押し下げていますが、平米単価の違いは一目瞭然。ちなみに3LDK以上のマンションに限ると、「多摩境」の平均価格はほとんど変わらず2,865万円ですが、「橋本」は3,200万円と逆転します。

 

確かに利便性でいえば「橋本」に軍配があがるものの、価格を含めて比較すると、「多摩境」を選ぶファミリー層は多そうです。

 

注目が高まる「多摩境」ですが、ネックになるのは交通。「新宿」までは1本でいけるものの、通勤時間帯であれば50分を超えます(平日8時に出発した場合)。勤務先がどこにあるかにもよりますが、区内であれば熟考すべきポイントだといえるでしょう。

 

またファミリー層に嬉しい施設が点在する「多摩境」ですが、そのメリットを享受するなら車はあったほうがいいでしょう。しかし周辺の道路環境は良好とはいえず、渋滞しがち。目的地はすぐなのに車が動かない……そんなストレスも日常です。

 

さらに気にしたいのが、東京都と神奈川県の境という立地。駅の住所は町田ですが、前述の通り、駅10分ほどのエリアは神奈川県というところも。子どもが通う学校も変わりますし、受験のことも考えると、選択肢が大きく異なります。将来の子どもの教育まで視野に入れて、住まい選びを行いたいところです。