大人の英語コミュニケーションには、「言語行為」という考え方と、「表現の調節」が不可欠です。ここでは、Q‐Leap株式会社の代表取締役副社長、愛場吉子氏が2つのポイントについて解説します。 ※本連載は、書籍『話す英語(実戦力徹底トレーニング)』(アルク)より一部を抜粋・再編集したものです。
“英語には複雑な丁寧表現はない”は誤り…「ペンを借りたいとき」何と声をかける? (※写真はイメージです/PIXTA)

前置き、理由など…さらに「丁寧で控えめな英語表現」

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●状況3 友人から、急きょ車を借りる 【話題:重】【人間関係:近】

 

Would it be possible to borrow your car this afternoon?

 

今日の午後、君の車を借りることってできそうかな?

 

●状況4 最近知り合った顧客から、急きょ車を借りる 【話題:重】【人間関係:遠】

 

I was just wondering if you could possibly lend me your car this afternoon. + good reasons

 

今日の午後、車をお貸しいただけないかと思っておりまして。 +詳しい理由

 

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車を急に借りるというのは、依頼内容としてはかなり重いものです。たとえ相手が友人だとしても、Would it be possible ~?などの、控えめに可能性を尋ねるような依頼表現を使った方がいいでしょう。

 

顧客から車を借りなければならない状況(あまりなさそうな状況ではありますが……)に陥った場合は、さらに間接的なI was wondering if ~ などで慎重に切り出す必要が出てくるでしょう。

 

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また、「構成要素」にも関わることですが、具体的な依頼を切り出す前に、I feel terribly sorry, but(大変申し訳ありませんが)などの丁寧な前置きも必要となります。そして当然ながら、このような状況では、相手との関係を問わず、依頼表現の後に「車を借りなければならない」ことの詳しい理由説明を続けることになります。

 

「英語には、日本語のような複雑な丁寧表現はない」と考えている人が多いのですが、ここで見てきたように、英語においても、表現の丁寧さや控えめさをコントロールできるスキルはとても重要で、実際、表現を丁寧にするためのさまざまな方法が存在します。

 

 

愛場 吉子

Q‐Leap株式会社 代表取締役副社長