AIに取って代わられない人間の育成を目的として、日本の教育は変化のさなかにあります。高校では2020年から「古典研究」「理数研究」と「探求」のついた科目が新設されました。この改革のさきがけとなったのが大学入試です。数年前までとはガラッと変わった「大学や将来で求められる力」について、教育ジャーナリストの中曽根陽子氏が解説します。 ※本記事は、書籍『成功する子は「やりたいこと」を見つけている』(青春出版社)より一部を抜粋・再編集したものです。
早稲田大学「AO・推薦入学者」を“全体の6割”へ…今、教育界に起きている「変化」 (※写真はイメージです/PIXTA)

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「大学入学共通テスト」センター試験から“一新”の中身

教育改革のさきがけとして、変わったのが大学入試です。2021年度から、これまでのセンター試験が廃止され、大学入学共通テストに代わりました。

 

この出題内容を見たある高校の理科の先生は、「これまでの正解や公式を教える授業では、通用しない」と授業を一新。生徒に実験方法から考えさせています。

 

なぜなら問題の中にすでに正解はあり、それを導き出す過程が問われるようになったからです。

 

そして2020年度から施行された学習指導要領では、学校で学んだことを社会に出てからも生かせるように、次の図のように、知識・技能、思考力・判断力・表現力、そして学びに向かう力・人間性を学力の3要素として、育成することを目指しています。

 

そのような力を育てるために、高校で探究のついた科目ができたり、授業で「探究型学習」が取り入れられたりしているのです。

 

学校によってさまざまなアプローチがあり年齢によってやることも変わりますが、「新商品やサービスをつくろう」とか「地域の活性化について考えよう」など、さまざまなテーマについて考えたり、社会の授業で死刑制度について学び、それが是か非かを考えたりしています。

 

数学の教科書に出てこない解法を自分で考えるというような、教科学習の内容を深めていく取り組みをしている学校もあります。

 

実は、探究的な学習を行っている生徒ほど、国語や数学など各教科の正答率が高いというデータもあります。

 

それは、やらされる勉強ではなく、自分が疑問に思ったことや、関心のあることについて、主体的に調べたり深めたりしていくので、勉強が苦にならないからでしょう。

 

この教育を変えようという動きは、日本だけでなく、世界中で始まっています。