国税庁『民間給与実態統計調査』(令和2年)によると、会社員の平均給与は433万円(平均年齢46.8歳)でした。年収1000万円という大台を目指すのは決して簡単ではないことがわかります。そのようななか、30代で年収1000万円を目指す「キャリアプラン」とは? みていきましょう。※本記事は、株式会社キャリア・エックスの『転職コラム』から転載したものです。
「30代で年収1000万円」を本気で狙う人のための「キャリアプラン」【転職エージェントCEOが解説】

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「年収1000万円以上」得たい!…まずは動機を明確に

1000万円以上の年収を得ている人は、全年代の1割にも達していません。そこを目指す覚悟を持っているのか、1000万円を超えたいというモチベーションはどこにあるのかということはまず確認したいところです。

 

面談をしていても「1000万円を超えたい」という方はいらっしゃいますが、動機は「高い車に乗りたいから」「旅行にたくさん行きたいから」「ひとり親家庭出身で何をするにもお金がなく、学校も公立しか選択肢にできなかった。自分の子どもには同じ経験をさせたくないから、ちゃんと稼いで子どもの選択肢を増やしたい」など、さまざまです。

 

本当に継続して1000万円稼ぎ続ける必要性があるのか、覚悟・モチベーションがあるのかはよく考えてください。

年収1000万、本気で目指すときに考えたい2つの観点

その上で、本当に目指したいという方には、次の2つの観点から今後のキャリアプランを練ることをおすすめします。

 

1.スペシャリストか、ゼネラリストか

気合と根性だけで年収1000万円は超えられません。スペシャリストとして特定の領域で「この人にしかできない」という強みを持っているか、ゼネラリストとしてマネジメントスキルを磨いていなければ、わざわざ1000万円以上払って採用されることはなく、平均年収と同等の給与を支払われる働き方にしかなりません。

 

もし、スペシャリストとしてキャリアを重ね、年収1000万円以上を狙いたいけれど、今はまだスペシャリティを持っていないという場合、まずは一度、スペシャリティを身につけられる企業に転職しましょう。

 

スペシャリストに次ぐもう1つの選択肢が、マネジメントスキルを持ったゼネラリストの道をいくことですが、その背景にはRPAやAIなどによる業務の自動化・効率化の進展があります。

 

自動化によって人が行う仕事は今後さらに減っていったとき、必要となってくるのが、手を動かす人たちを管理し、人と自動化された仕組みとを組み合わせてパフォーマンスを上げるための戦略を練り、推進していくことのできる人です。

 

現場で働く人たちをいかにしてまとめて、事業を推進していけるかというスキルは、今後高年収を得ていく上でいっそう求められます。

 

2.伸びる市場で、実力主義の企業を選ぶ

年収1000万円というのは、大手企業では40代・50代で得られる額です。それを30代で目指す時点で、選ぶべきは大手企業ではなく、外資系企業やメガベンチャーなど、実力次第で上を目指せる企業です。

 

また、今、人材市場においてITエンジニアがお金を出してでも採用したい職種であるように、年収は人材市場における需要などとも連動しやすいので、今後伸びる市場がどこか、必要とされる職種は何か、といったところを見極めることも重要です。

 

なお、培った人脈・スキルを使って、起業する、フリーランスで働く、今の仕事をしながら副業で数百万円稼ぐなどの方法もありますが、いずれも難度の高い方法です。

 

 

東海林 浩樹

株式会社キャリア・エックス

CEO/コンサルタント