正解のない時代で、自分なりの正解を
これからの時代は、働く期間が長くなるだけでなく、新型コロナウイルス感染症の流行や、それによる産業構造の変化がだれも予測できなかったように、何が起こるかわからず、また、ITの進化により、変化のスピードそのものも非常に速い時代になっていきます。
一言でいうと、それは、「何が正解かわからない時代」であるということ。キャリアの積み方や転職先の選び方においても、従来の社会的評価、例えば「この会社ならつぶれない」「だれもが知っている会社だから安泰」といった評価に従った判断が正しいとは限らない状況になっています。
この状況下で大事にすべきなのは、「自分はどう生きていきたいか?」ということ。正解は1人ひとり異なるので、まずは「自分にとって幸せな働き方とはどんな働き方なのか」を考え、自分で選択していくことが、納得感のある選択につながると思います。
実際、私が受けている転職相談においても、「これからどんな企業に行けばいいのか?」「どのような軸で企業を選べばいいのか?」などの相談を多く受けます。
そこでお伝えしているのは、だれもが同意する正解は存在せず、1人ひとりの中にその人なりの答えがあるということ。何が幸せな働き方かを考え、決めるのはその人自身であるということです。
時勢に合わせて柔軟に変化していくことが重要
一方で、今後、だれでもできるような仕事の需要は減り、新型コロナウイルス感染症の影響だけではなく、コンピューター技術の進歩によってロボットが人間の仕事を代行する時代はすぐそこです。
AI(人工知能)の研究を行っている米オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授が発表した論文「雇用の未来—コンピューター化によって仕事は失われるのか」では、コンピューターによる自動化が進むことにより、20年後の将来には47%の仕事がなくなるという衝撃の結論が導き出されています。
そうなったときに重要なのは、人としての魅力をつけていくか、何か専門的な知見や教養を持ちそれを武器に戦うことのどちらかです。
そして、さらに重要なのは、常に自分に価値をつけていけるよう、変化を厭わないこと。変化が激しく、その中で長く働き続ける時代においては、常に、学び、変化しながら自分に価値をつけていくことが大事です。
「今までこれをやってきたから」ではなく、これから必要なものを感じとって、企業の選択軸を変えていけるといいと思います。