第100代内閣総理大臣が誕生。岸田総理は「所得倍増」を掲げていますが、バブル崩壊以降、多くの総理大臣は「会社員の平均給与が下がる」という事態に直面しています。
会社員の平均給与を上げた総理大臣、下げた総理大臣…岸田総理はどちらに? (※写真はイメージです/PIXTA)

会社員の給与は上がっていく…神話が崩壊した1990年代

10月4日、新しい自民党総裁となった岸田文雄氏が「第100代内閣総理大臣」に任命されました。伊藤博文が初代内閣総理大臣となったのが、いまから136年前の1885年。それから数えて100代ですから、総理大臣の任期は平均2年以下。内閣改造によって長期政権になることもありますが、諸外国に比べて、日本のトップがコロコロ変わる印象は拭えません。

 

実際にこのあと衆議院総選挙がありますので、岸田氏がそのまま総理大臣を務めるとしても内閣を改造して仕切り直しをするだろうという見方が強く、100代内閣総理大臣は短命に終わりそうです。

 

どれほどの任期になるかはさておき、岸田総理で注目されているのが「令和版所得倍増」。小泉内閣以降の新自由主義的政策を見直し、格差を是正。中間層を復活させるというものです。それに対して、色々な意見がありますが、議論の中心にいる会社員からは、期待半分、懐疑的な意見が半分といった印象。素直に期待を口にできないのは、近年、会社員の平均給与がいっこうに上がらないからかもしれません。

 

国税庁『令和2年分民間給与実態統計調査』によると、2020年、会社員の平均給与は433万円。前年436.40万円と比較して99.22%。2年連続のマイナスとなりました。

 

同調査によると、戦後の昭和24年、1949年の会社員の平均給与は11.12万円。当時の国家公務員の初任給は4223円でした。その後、高度成長期となり、会社員の平均給与も右肩上がり。前年比110~120%の高い伸び率を記録していました。

 

石油ショック後、その伸び率は落ち着きますが、前年比100%台の上昇率を記録し、日本人は年を追うごとに豊かさを手にしています。

 

そんな「給与は毎年上がっていく」ことが常識だった時代が終わるきっかけになったのが、バブル崩壊です。1989年の金融政策転換と1990年の総量規制により、1989年に38,915円だった日経平均は1年後23,848円まで下落。イケイケだった日本経済に急ブレーキがかかります。そして1993年、会社員の平均給与は452万2000円に。前年455万円と比較して99.38%と、初の前年割れを記録します。

 

その後、1994年からの4年間は、わずかながら前年比プラスを記録し踏ん張りを見せますが、不良債権問題の深刻さが増した1998年、再び前年割れを記録。ここに「会社員の給与は年々上がっていく」という神話が終わりを告げることになったのです。