第100代内閣総理大臣が誕生。岸田総理は「所得倍増」を掲げていますが、バブル崩壊以降、多くの総理大臣は「会社員の平均給与が下がる」という事態に直面しています。
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2000年代、第2次安倍総理の時代が、最も会社員の給与は上がったが…
一方、「会社員の給与、前年割れ」が常態化した2000年代。最も高い伸び率を示したのは2017年で、432万2000円と前年比102.51%を記録しています。当時、安倍総理は「アベノミクス」と称し、「3本の矢」を柱とする経済政策を実施。また東京五輪開催に向けてインバウンド需要が拡大していました。
確かに、安倍総理の時代である2013年から2018年、会社員の給与は413万6000円から440万7000円まで上昇。これをリーマン・ショックの落ち込みからの反動と捉えるか、それとも経済政策の効果とするのか、議論は分かれるところかもしれません。拡大した格差はそのままに、将来不安が増大したタイミングでもあり、給料増をそれほど実感できるものではありませんでした。
「失われた20年」、または「失われた30年」といわれる日本。その間、会社員は「給与が上がる」という希望を失いました。岸田総理が「会社員の給与を上げる」総理となるか、それとも「会社員の給与を下げる」総理となるのか、その手腕に期待せずにはいられません。