前回は、「家賃収入が途絶えたら?」という不安を解消するサブリースとは何かを説明しました。今回は、サブリースを利用する際の留意点を見ていきます。

「利回り重視」の人にはサブリースは不向き

「サブリースなんか使ったら、管理会社に手数料を支払う分、利回りが悪化する」と考える人もいるかもしれません。利回りが悪化するのは事実なので、少しでも不労所得を増やしたいと考える人には、たしかに不向きといえます。

 

ですが、管理会社に手数料を払うだけで、空室リスクを回避できるならば、安いものです。筆者は、不労所得を得てもうけるためというより、不動産を〝保険の代わり〟のようにして使うことをおすすめしています。そのため、利回りよりも、あくまでリスクを低減することが重要なのです。

とにかく収支を「プラス」にできる物件を購入

しかし、いくら利回りは重視しないといっても、毎月の収支がマイナスになってしまってはあまり意味がありません。

 

不動産を購入する人の中には、毎月多少の手出しが発生しても、気に入った物件であれば買ってしまう人が大勢います。

 

特に新築のきれいな物件などは、物件価格が高いにもかかわらず、サブリースの保証家賃は周辺相場に合わせられていて、月々の返済額と管理費のほうが家賃収入を上回ってしまうケースがよくあります。新築ワンルームマンションなどは割高でこのケースに当てはまりやすいので、注意が必要です。

 

[図表]プチ収入ができることもあれば、マイナスになることもある

 

毎月お金が出て行ってしまうのなら、保険代わりに不動産を買う意味がありません。保険料を支払っているのとあまり変わらないからです。

 

ですから重要なのは、とにかく収支をプラスにできるような物件を買い、保証家賃を設定することです。新築でも割高ではない価格のものであったり、より安価な新古、中古の物件を選んでいれば月々の収支がマイナスになるリスクは回避できるはずです。

本連載は、2014年8月30日刊行の書籍『30歳からはじめる一生お金に困らない蓄財術』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。本書は情報の提供および学習を主な目的としたものであり、著者独自の調査に基づいて執筆されています。実際の投資の成功を保証するものではなく、投資の際は必ずご自身の責任と判断で行ってください。本書の内容に関して運用した結果については、著者および幻冬舎グループはいかなる責任も負いかねます。本書に記載されているデータや法令等は、いずれも執筆当時のものであり、今後変更されることがあります。

30歳からはじめる 一生お金に困らない蓄財術

30歳からはじめる 一生お金に困らない蓄財術

工藤 将太郎

幻冬舎メディアコンサルティング

社会保障制度の財源が危ぶまれ、賃金格差が広がる今の日本にあって、これから結婚・子育て・マイホームの購入・老後を迎えようとする世代には将来のお金に対する不安が広がっています。 将来のお金が不安な時、たいていの人は…

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