少子高齢化の影響などを背景に転職者の平均年齢はあがっているものの、35歳を超えると転職の難易度は一気に上がります。一方、これまでに得た知識や経験の活かし方次第では、年齢に関係なく企業から求められる人材となることも可能です。35歳を超えて転職に成功した3人の実例から、年齢を重ねても転職が上手くいく人の共通点を見ていきましょう。※本連載は、黒田真行氏の著書『35歳からの後悔しない転職ノート』を一部抜粋・再編集したものです。
35歳を超えても「転職が上手くいく」人の共通点【3人の転職事例】 (※写真はイメージです/PIXTA)

転職がうまくいく人の共通点とは…

2.別の業界への転職

2つ目の事例は、大手のインターネット関連会社を経て、大学のキャリアセンターで学生の就職支援をしているEさん(39歳)。まったく別の世界に飛び込む転職でした。

 

もともと人事として新卒採用をしていた経験があり、そもそもの業種ごとの違いからくるカルチャーギャップ、受け入れる企業側と送り出す学校側の違いなど、当初は相当に困ったようです。

 

しかし、3年目に入って課長に昇進。その理由を聞くと、「異文化に飛び込んだ者として、いかに謙虚に学ぶかを心がけました。でも、年齢も年齢なので、成果を出すための提案や行動は年齢なりに物怖じせずにやり切りました」。

 

インプットは謙虚に、アウトプットは大胆に。結果につなげていくこのバランスも、うまくいく人のひとつの共通点です。

 

 

3.転職後の将来を見据えた転職

3つ目の事例は、中堅広告代理店でエグゼクティブディレクターをしていたFさん(44歳)。

 

当初は、応募した会社から軒並み不採用を突きつけられました。その結果、すべてを望んでいては身動きが取れない、と腹をくくったといいます。今後、元気に働ける20年で得たいものを3つだけに絞り込みました。財産を持てば持つほど守ろうとするのが、人情です。

 

仕事に関しても同じで、仕事の醍醐味、役職、年収、会社の知名度、部下の数、通勤の便など、いったん自分にとって住み心地のいい場所や条件を手に入れると、転職を迫られたとしても、どれもこれも全部守りたいと考えてしまうのも不思議ではありません。

 

しかし、Fさんは、3つだけに絞り込んだのです。そして一番重視した「モノづくりの現場の第一線で能力を活かすこと」に絞り、食品メーカーのパッケージデザインのマネジャー職に就かれました。年収は前職から半減。しかし、心理的な満足度は以前よりも高まった状態で働いておられます。

 

[図表3]40歳を過ぎてからも企業からオファーを受けやすい人の共通点

 

黒田 真行

ルーセントドアーズ株式会社

代表取締役