会社に依存せず、自分自身のキャリアを開拓していく手段として「転職」が一般化してきていますが、転職面接では回答に迷うこともしばしば。そのひとつが「自己PR」です。どのように自分をアピールすれば効果的なのか……一部上場企業の人事部長や人材会社の経営などを通じてこれまで3,000人以上と就職面談を行ってきた福山敦士氏が解説します。※本連載は、福山敦士氏著『新しい転職面接の教科書~「最強の内定」を手に入れる!』(大和書房)を一部抜粋・再編集したものです。
「ビッグプロジェクトに関わっていた」ではアピール不足…転職面接「自己PR」の模範解答 (※写真はイメージです/PIXTA)

あなたの自己PRをお願いします〜異業種に転職の場合〜

■つまり…その業界の知見を活かせますか?

 

中途採用の場合、即戦力を求めているケースが大半ではありますが、

 

確固としたノウハウのある企業と、異業種の知見を持った人が欲しい企業の場合は、未経験でも応募できるということがあります。ここではそういった場合のPRについて紹介します。

 

1.確固としたノウハウのある企業

業界シェアNo.1企業の営業など、どんな人がやってもマニュアルの通りにやれば成約できるといった確固としたノウハウがあるため、純粋に人手があれば売り上げがついてくるケースです。

 

こういったところは、人がいれば売り上げが上がるという仕組みがきちんとあるので、一緒に働ける人かどうかという人柄を重視する傾向があります。現職の業界の実績を声高に叫ぶよりかは、あなたの仕事への姿勢が伝わるような話をする方が印象がいいです。

 

2.異業種の知見を持った人が欲しい企業

例えば、小規模な会社が開発したアプリが思いがけずヒットし、それに伴い広告専任の人を初めて採用したいという企業に、広告事業経験のあるあなたが応募したとしましょう。

 

この場合は、あなたの専門性が何で、これまでにやってきた具体的な仕事の内容・領域と、程度が伝えられるといいでしょう。

 

「○○アプリのプロモーションを学生ユーザーに向けてやりました」であれば、「○○アプリのプロモーション」が具体的な仕事、「学生ユーザー向け」プロモーションがその領域です。

 

そして程度は、「数万ダウンロードから数百万ダウンロードまで持って行きました」とか「1000万ダウンロードから2000万ダウンロードまで持って行きました」というようなことです。

 

「◯◯アプリのプロモーションです」だけだと、面接官からは「それって数百人単位で関っているよね」と疑問符が付くので、領域と程度を示すことが大切です。ゼロからイチを作った人なのか、V字回復させた人なのか、初対面の人に伝わる説明を心がけましょう。

 

■アドバイス…「人柄」のPRか、「実績」のPRか

 

 

 

福山 敦士

キャリア教育研究家/人材会社経営者