「結婚前と比べて収入は増えたものの、一向にお金が貯まらない」と悩む共働き夫婦の、貯蓄を阻む「2つの要因」について紹介します。※本連載は、江尻尚平氏と福島えみ子氏の共著『お金が貯まる!世帯年収500万円から始める共働き夫婦の超効率家計簿』(徳間書店)より一部を抜粋・再編集したものです。
稼いでいるのにお金が貯まらない…共働き夫婦の貯蓄を阻む2つの要因 (※画像はイメージです/PIXTA)

要因1:相手の収入が高く、油断して出費が多くなる

夫婦のどちらかの収入が自分より高いとき、「相手の稼ぎがあるので、これくらいの生活水準や支出ペースでも大丈夫だろう」と油断してしまうケースがあります。

 

これは何も相手の収入額がはっきりわかっている場合ばかりではありません。ある程度の収入がある場合、「お金が足りない!」とはならない程度のお金が毎月あるいはボーナスで入ってくるため、お金に対する危機感を持つには至らず、あまり気にしないでお金を使う習慣がついてしまっていることがあります。

 

それでも必要なお金や貯蓄すべきお金がしっかり残るなら何も問題はありません。しかし、「じつは貯蓄はたいしてありません」というケースは意外とあります。

 

なぜそうなるのかというと、やはり手取りでいくら収入があって、いくらくらい支出にあてることができ、いくらくらい貯蓄にまわさなければ後々困るのかといったことが、具体的な数字で把握できていないからといえます。

 

また、収入が高い場合、周りにあわせて生活レベルが高くなってしまい、「これくらいは」と、支出レベルも知らず知らず高くなってしまいがちなのです。

 

こういった家計を拝見していると、「でも、これくらい普通ですよね?」という言葉をおっしゃることがたびたびあります。もし、家計支出を見直すときに、こういった言葉が頭をよぎるようであれば、あらためて、「普通って何だろう?」と自問自答してみてください。

 

収入や生活、そして価値観も多様な現代では、「普通」の形はさまざまです。「1回1000円のランチは普通ですか?」「クルマを持つのは普通ですか?」「年1回海外旅行に行くのは普通ですか?」などと問いかけても、人によって答えは違います。

 

価値観は人それぞれでよいのですが、「これくらいは普通」と思うお金の使い方をしていても貯蓄が残せないのであれば、その使い方はあるべき「普通」ではないのかもしれません。

 

また、共働きといえどもお互いの収入差が大きい場合は、共働きのメリットである、「どちらかが倒れても、もう一方の収入がある」という“リスクヘッジ”の効果が薄くなります。

 

そのため、相手の収入が高い共働き夫婦こそ、油断せず、しっかり必要資金を残しておきたいところです。共働き夫婦といえども、「もしも相手の収入がなくなったら?」を常に意識しておきたいのです。