東証一部上場企業の人事部長を経験し、転職エージェント・人材会社を経営する福山敦士氏は、これまで3,000人以上の就職面談を行ってきた自身の経験から、転職面接において大切なことは面接官から「あなたがほしい」と言ってもらえるように仕向けることだと言います。「自己紹介」や「志望動機」など、面接でよく聞かれる質問への模範回答を見ていきましょう。※本連載は、福山敦士氏著『新しい転職面接の教科書~「最強の内定」を手に入れる!』(大和書房)を一部抜粋・再編集したものです。
転職面接を有利に進める「自己紹介」「志望動機」の模範回答 (※写真はイメージです/PIXTA)

面接官「自己紹介をお願いできますか?」

■つまり…会話のきっかけを提供してください

 

これは面接冒頭でおきまりのようにある質問ですが、会社側としては「なぜ当社を選んだか、なぜ転職したのか」というところを自己紹介で知ることができるとありがたいと思っています。

 

これから30分、1時間と話をするにあたって話題をここで提供してほしいというネタ探しの側面もあるといえるでしょう。ここでキーワードを散らばしておくと、面接官も拾いやすくなります。

 

その他には、プレゼンテーション能力や説明力を見られていると考えるとよいでしょう。

 

ごくまれに面接官や社長が忙しすぎて履歴書、職務経歴書をきちんと見ていないというケースがあります。バタバタと入室し、初めてそこで書類を目にする…というケースもありますが、この場合は冒頭でお伝えしたように話題を提供するというところに重点をおいてください。

 

そうではなく、初回面談などで面接官が事前に書類を見ていて、手元にもあるという場合は、会話を見られています。極端に話し方が変だったり、説明がまわりくどくないか、というような部分です。

 

■回答例
初めまして、福山敦士と申します。前職(現職)は〇〇株式会社で△△の事務に従事しております。(あれば)その前は、□□の仕事をしていました。今回、自分自身のキャリアアップのために転職を検討しております。よろしくお願いします。

 

自己紹介の尺は、1〜2分が理想です。フルネームで伝え、在籍企業も正式名称で述べましょう。なぜかというと、あなたが1人で話したいことを話しているよりは、面接官とあなたで会話を重ねていった方がいいからです。

 

「食品メーカーにいまして」「某広告代理店にいまして」ではなく、ちゃんと正式名称を言っていったほうがいいでしょう。具体的なキーワードが面接官と会話を生むきっかけとなります。もし無名の会社でも面接官は知っているかもしれません。知らなければその後補足で説明すれば大丈夫です。

 

あくまで「会話のキックオフ」を求められているに過ぎません。気負わず、堂々と伝えましょう。

 

■アドバイス…キャリアを固有名詞で伝えよう。