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誰よりも現場を「楽しむ」ことから学ぶ理想のリーダー像
誰よりも一番「汗」をかく内村。
ただ内村の場合は、「一番汗をかく=一番辛そう・大変そう」なのではなく、彼自身が誰よりも現場を楽しんでいる存在であることが、その大きな特徴となる。
コント番組『LIFE!』で共演する俳優・中川大志氏が内村のことを語ってくれたとき、「頑張っている」という表現とセットのように、「楽しんでいる」という表現を使っていたのが印象的であった。
「内村さん自身が常に生み出そうと考えていて、コレでいいと妥協しないですし、いいものを作ることに貪欲です。ひたむきに仕事に向き合っている姿を近くで見ていて、“あ、本当に好きなんだな、この仕事”って周りがすごく感じるんですよ。本当に楽しんでいる、誰よりも楽しんでいるなって」
同番組の統括プロデューサー・山之口明子氏の証言もこれを裏付ける。
「座長ではあるが、座長然としていないです。むしろみんなで、チームで、コントを楽しんでいるという感じがします。収録が空いて、久しぶりに再開するともうすごく嬉しそうで、誰よりもコントが好きで、純粋に楽しんでいる。そして一番自分が頑張る。
無理しているんじゃなくて、“楽しいから頑張る”という座長観は、スタジオコントには必要なのかもしれません」
誰よりも頑張る=「無理しているわけではない」
山之口氏は「スタジオコントに必要」と評したが、筆者は、座長に限らず、リーダーの現場における立ち居振る舞いを語る上で欠かせないポイントだと考える。
なぜなら仕事において、「努力すること」と「楽しむこと」が自己の中でイコールとなったとき、人の成長における“最高循環”となるからだ。
「楽しむ」ことができると、人はそのために必要な努力を「努力」と感じなくなる。自身に無理を強いなくても、「楽しい」から続けられるようになる。厭々(いやいや)仕事に取り組むのと、喜んで取り組むのとでは、結果に如実に差がでることは周知の事実だろう。
そして『痛快TVスカッとジャパン』をはじめ多くの番組でMC内村の仕事ぶりを目の当たりにしているフジテレビ・総合演出の木月洋介氏も言葉を重ねるように、内村が、この誰よりも頑張ることを「無理しているわけではない」という点を見逃してはいけない。
「内村さんは人を、チームを、モチベートするんですよね。“この人が一番頑張っているなぁ”と自然にみんなが思ってしまう。その頑張りも、無理をしているんではなくて、楽しんで頑張っているから」
「努力が苦行にならない」仕事の取り組み方とは…
ここまで読み進めてきた読者のみなさんも、「誰よりも一番汗をかく」というリーダーシップの意義はきっと理解いただけたことだろう。
けれど、ただひたすらにそれらを実践しようとすると、よきリーダーに成長するための努力が“苦行”となり、無理が生じてしまう。日々仕事に追われ、楽しむといわれても「そもそもどう楽しめばいいのか?」と思い悩む読者もいるかもしれない。
そんな方に、ぜひ実践してほしいのが、「小さな楽しみを見つける」こと。
これは、今あなたが抱えている“仕事全体”を楽しめということではなく、一つのプロジェクトや業務の中に、チーム全体の大きな目標とは別に、“自分ならではの目標項目”を設定し、より小さなサイズでその達成感を楽しむという手法だ。
ただでさえ予算達成など越えなければならないハードルがあるのに、別の目標も持つことに負担を感じる人もいるかもしれない。
けれど、負荷が少なく業務が楽、といった類の楽しさを目指すのではなく、ささやかなもので構わないから、ぜひ進捗の手応えと感じられるような「目標」を見つけてみてほしい。