洗練されたビジネス英語メールについて、ビジネス英語研修会社Q-Leap代表取締役社長・浅場眞紀子氏が解説。ここでは、メールの最も重要なパーツと言える「件名」の書き方を、具体的な例とともにご紹介します。 ※本記事は、書籍『英文Eメールハンドブック』(アルク)より一部を抜粋、再編集したものです。
「日本語発想」からワンランク上へ…読んでもらえる英語メールの「件名」例 (※写真はイメージです/PIXTA)

ビジネス英語で「問い合わせ」をしたい…具体的な件名例

初めてメールを出す場合は特に、スパムなどと間違えられないためにも、件名を具体的にすると効果的です。「Hi(こんにちは)」などを件名にしてしまうと、メールを開いてもらえないこともあるでしょう。

 

【日本語発想例】

 

●トピックセンテンス

I would like to know about your design services for corporate websites.〈12語〉

(御社の企業ウェブサイト向けのデザインサービスについて知りたいです)

●不要な語をカット

件名にするには長過ぎます。省略可能な機能語(前置詞、冠詞、代名詞、助動詞など)やすでに共通認識のある情報を中心に削り、もっと簡潔にしてみましょう。

(I would like to know about your) design services for corporate websites.

(企業ウェブサイト向けのデザインサービス)

●並べ替え・言い換え

I would like to know about your~(あなたの~について知りたいです)はもっと短く Information request(情報提供依頼)と言い換えることができます。requestは「依頼、要求」という意味の名詞、または「依頼する、要求する」という意味の動詞として使えます。yourはここでは共通認識のある内容(「あなた」のサービスについて問い合わせをしているのは明白)なので省略します。

Information request:Design services for corporate websites〈7語〉

(情報提供依頼:企業ウェブサイト向けデザイン)

 

英語としての自然さにはやや欠けますが、相手に具体的にメールの意図が伝わる件名になりました。このように、コロン(:)を使うと前置詞等に悩むことなく情報を並べることができます。件名の作成には非常に重宝する記号です。

 

【英語発想例】

 

「inquire(問い合わせる)」は問い合わせをする際に知っていると、とても便利な単語です。これ1語で、日本語発想例の「I would like to know about」の部分をよりビジネスライクに伝えることができます。

 

We would like to inquire about your design services for corporate websites.〈12語〉

(御社の企業ウェブサイト向けデザインサービスについて問い合わせさせていただきたいです)

●不要な語をカット

We would like toはカットできそうです。

(We would like to) inquire about your design services for corporate websites.

(問い合わせる ~について 御社の企業ウェブサイト向けデザインサービス)

●並べ替え・品詞変換

①残った単語の並び順は現状で問題ありませんが、件名の冒頭に動詞を置くときは、inquiry(名詞)やinquiring(動名詞)など名詞に変換した方がいいでしょう。inquiryはenquiry(イギリス英語)でも同じ意味です。

 

②design service for corporate websitesを複合名詞に変換します。前置詞の前後を入れ替えて前置詞を落とすとcorporate website design servicesになります。さらにservice(s)も共通認識と考えるならば落としてもいいでしょう。

① Inquiry: Design services for corporate websites〈6語〉

(問い合わせ:企業ウェブサイト向けデザインサービス)

② Corporate website design inquiry〈4語〉

(企業向けウェブサイトデザイン問い合わせ)

 

件名としてとても一般的な表現になりました。①②共に、ほぼ内容語のみのすっきりとした件名です。