2026/1/22(木)11:00~11:45開催
令和のお墓事情―「墓じまい」のリアル
タイミング、費用、手続き、墓じまいのその先は…
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いくらかかる?「墓じまい」にかかる費用のすべて
「墓じまいの費用」と一口にいっても、実際には複数の要素が重なっています。主な内訳は以下のとおりです。
平均的な総費用は30万〜200万円程度。ただし、墓地の立地や規模、寺院との関係、新しい供養先の選択によって200万円を超えるケースもあります。
★費用を左右する3つのポイント
ポイント①墓地の場所・広さ
山間部や狭小地など、重機の搬入が難しい場所では、手作業が増えるため費用が上がる傾向があります。
ポイント②墓石の大きさ・形状
大型墓石は、解体コストが高くなります。
ポイント③業者の選定
依頼する業者ごとに見積もりの基準が異なります。「撤去費」だけでなく、「総額」で希望する費用になっているかを確認する必要があります。
このように、墓じまいは「一律料金」ではなく、条件によって大きく変動することを理解しておきましょう。
墓じまいの流れ…5つのステップで整理
墓じまいの手続きは、思った以上にやることが多いものです。いざというときに慌てないよう、あらかじめ墓じまいの流れを把握しておくことが重要となります。ここでは、一般的な流れを5つのステップで解説します。
1.家族・親族との話し合い
まず最初にすべきは、家族・親族間の合意形成です。「誰の判断で墓じまいをするのか」「遺骨をどこに移すのか」を早めに話し合うことで、後のトラブルを防げます。特に兄弟姉妹が多い場合や、親族の中に墓じまいに関して疑問を持たれる親族がいる場合は話が停滞しがちです。話し合いの段階で「誰が費用を負担するか」も明確にしておくことが重要です。
2.寺院・管理者への連絡
墓地や寺院が管理している場合、いきなり「墓じまいをする」と伝えると、トラブルになることもあります。まずは墓じまいの専門家に相談のうえ、寺院や管理者へどのように切り出すべきか、アドバイスを受けると安心です。専門家を頼ることで、円満に進めるための手順がみえてきます。
3.改葬許可証の取得
墓じまいの手続きで欠かせないのが「改葬許可証」です。遺骨を別の場所に移す(改葬する)場合、現在の墓地がある市区町村役場で発行してもらう必要があります。
4.墓石の撤去・遺骨の取り出し
改葬許可証が発行されたら、墓じまいの業者に墓石の撤去を依頼します。前述のとおり、墓地の立地条件や石材量により工事費用が大きく変わります。重機が入れず人力のみでの作業になれば、日数がかかるケースも。また、遺骨の取り出しに高額な費用がかかる石材店などもあるため、事前の見積もり確認が必須です。
5.新しい納骨先への移動・埋葬
取り出した遺骨は、決めておいた供養先へ移します。納骨先として選ばれる主な方法は次の5つです。
①永代供養墓
寺院や霊園が永続的に供養してくれるお墓
②納骨堂
墓石を立てずに屋内でご遺骨を収蔵する施設
③樹木葬
墓石に代わり樹木や花などに囲まれた場所で供養をする方法
④散骨
遺骨を粉末状にして想い出のある海などに撒く供養方法
⑤手元供養
遺骨を真珠やペンダントに加工したり、小さな骨壺に移して身近なところで管理をしたりする供養方法
※少量の遺骨を使用することがほとんどのため、ほかの納骨方法と一緒に行われるケースが多いです。
どの方法を選ぶかによって、総費用が大きく異なります。「どのようなカタチで供養をしたいか」「どれくらいの費用で完結できるか」などを事前に比較しましょう。
以上ですべての手続きが終われば、墓じまいは完了です。
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墓じまいにかかる期間とスケジュールの目安
墓じまいに要する期間は、平均して1〜3ヵ月程度。ただし、寺院との調整が難航したり、書類に不備があったりすると、半年以上かかることもあります。
余裕をもって2〜3ヵ月前から動きはじめるのが理想です。特にお盆やお彼岸、管理費の更新月などは、寺院や墓じまいに関わる業者が繁忙期を迎えるため、早めの予約をおすすめします。
手間と費用を抑えるための2つの工夫
1.墓じまいから供養までを一括で依頼できる業者を選ぶ
「墓じまい」と同時に「その先の供養」までを一括で契約すると、それぞれの業者に対して連携する手間や、人件費などが抑えられる可能性があります。
2.なるべく早く墓じまいを依頼する
石材処分費は年々高騰しており、手続きも煩雑です。「いつかやろう」と先延ばしにせず、なるべく早い段階で申し込みを済ませることで、家族の負担を減らし、自身が考える理想の供養に近づけることができます。時間に余裕があれば、納得いくまで供養の方法や費用に関して相談ができ、後々のトラブルも防げます。
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トラブルを防ぐための注意点
墓じまいでは、感情面だけでなく金銭面のトラブルも起こりがちです。特に注意したいのは次の3点です。
1.寺院との関係を円滑に保つ
寺院には、これまでの感謝の気持ちを伝えながら墓じまいを希望する旨をお話ししましょう。もし話がこじれたり、離壇料などを求められたりした場合は、当事者だけで解決しようとせず、墓じまいの専門業者にご相談ください。
2.親族全員の合意を得る
あとになって「知らなかった」といわれないよう、事前に相談し、共有しておくと安心です。
3.業者選定はこれまでの実績を重視
安さだけで選ぶと、撤去後の処理や清掃が不十分で、トラブルにつながったケースもあります。過去に多数の墓じまいを行っている経験豊富な専門業者を選ぶことをおすすめします。
墓じまい後の“新しい供養先選び”
墓じまいをすることがゴールではありません。次にどのようなカタチで供養を続けていくかを考えることこそ、真の意味での「墓じまい」です。
近年は、永代供養や樹木葬、散骨、遺骨真珠、手元供養など、多様な選択肢が広がっています。たとえば、海洋散骨は費用が10万円前後と比較的手軽で、自然に還る象徴的な供養として人気です。また、遺骨真珠のように遺骨を加工してジュエリーとして残す方法は、“美しく記憶を受け継ぐ”新しい供養方法として注目されています。
費用だけでなく、「家族が心から納得できるか」が重要です。早めに見学・相談を重ね、後悔のない選択をしましょう。
まとめ…費用と手続きを理解することが、後悔のない墓じまいへの第一歩
墓じまいは、一見すると「お墓を片づける作業」に思えるかもしれません。しかし実際には、家族の思い出・宗教・費用・手続きが複雑に関わる、慎重に進めるべき人生の節目です。生前に流れと費用を理解しておくことで、
・無駄な出費を防げる
・寺院や親族との関係を円満に保てる
・家族に負担をかけずに整理できる
といった大きなメリットがあります。
次回は、墓じまい後の供養として注目を集める「永代供養・納骨堂」の特徴と費用について詳しく解説します。
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