NPO法人生活支援機構ALL代表理事・坂本慎治氏。生活困窮者の相談に乗り、生活保護の申請を手助けし、住まいを紹介。また新生活のための生活支援も無償で行っている。そんな同氏のもとに、ひとりの若い女性がやってきた――。 ※本連載では書籍『大阪に来たらええやん!西成のNPO法人代表が語る生活困窮者のリアル』(信長出版)より一部を抜粋・編集し、日本の悲惨な実態に迫っていく。
「お前、金借りてこい」DV男から逃げても逃げても…生活困窮女性の実態 (※画像はイメージです/PIXTA)

その暮らしも長くは続かず、「一難去ってまた一難

しかし、ある日突然、そのおじさんは「事業で海外にいくから、もう支援できない」と、関係の打ち切りを突きつけます。「あとは自分でどうにかしなさい」と言われ、彼女はまた、路頭に迷うことになります。

 

するとたどり着く先はもちろん、夜の店しかありません。

 

ある日、仕事の疲れを癒やそうとバーでひとり飲んでいると、近くで働いているホストに声をかけられます。

 

彼女はそのホストと付き合い、一緒に住むことになるのですが、このホストもまた、DVがひどい男でした。

 

毎日殴られ、風俗で稼いだお金も奪い取られる日々。「危ないから」と子どもを実家に帰すと、DVはさらに激しさを増しました。

 

地獄のような日々が続く中、住んでいるマンションの管理会社から「家賃を払ってください」という電話が入ります。

 

家賃はホストと彼女が折半で払う約束で、彼女は家賃の半額をホストに渡していました。しかしホストは家賃を払うことなく、彼女からもらったお金も遊びにつぎ込んでいたのです。