「生活困窮者」のなかでも多いのが…
本記事で紹介するのは「家族のDVから、着の身着のまま逃げてきた」ケースです。
自分の身を守るため、隙を見て家を飛び出て「後をつけられているのではないか」と怯えながら必死に逃げてきたわけですから、住まいのあても、仕事のあても、生活のあてもあるはずがありません。
DVは「肉体的な暴力」とは限りません。言葉による「精神的暴力」もあれば、無理矢理借金を背負わせるなどの「金銭的暴力」もあります。
ひとりの若い女性が、ある男から逃げ、我々の元に駆け込んできました。
旦那さんがひどい人で、借金で生活を立てていて、自分の名義で借金ができなくなったため「お前、金借りてこい」と彼女に無理矢理お金を借りさせ、彼女も借金できなくなったらスパッと離婚。彼女には借金と娘ひとりが残りました。
やむを得ず実家に帰ったのですが、なにせ大きな借金を抱えて帰ってきたわけですから、やはり居心地はよろしくない。そこでまずは借金を返そうと、実家で子どもの面倒を見てもらい、彼女は夜の店で働き出しました。
ある程度生計を立てられるようになったころ、お客さまのひとりである、「ビットコインで儲かった」という羽振りのいいおじさんにかわいがられるようになります。おじさんは「よし、家も借りたる」と、家賃20数万円のタワーマンションを借りてくれ、子どもと一緒に暮らし始めました。
おじさんには妻子もいましたから、いってしまえば「愛人」として囲われたということになります。毎月、生活費ももらい、不自由のない暮らしがしばらく続きました。