「どうしたらいいかわからない」……NPO法人生活支援機構ALL代表理事・坂本慎治氏が直面した、生活困窮者のリアル。未曾有のコロナショックが続く今、「対岸の火事」だった出来事は、誰にでも起こりうる話になった。 ※本連載では書籍『大阪に来たらええやん!西成のNPO法人代表が語る生活困窮者のリアル』(信長出版)より一部を抜粋・編集し、日本人の悲惨な実態に迫っていく。
「私、何のために生きているんだろう」ゴミ屋敷、そして車中泊へ…38歳・元キャリアウーマンの壮絶 掃除をする気力もなくなり、部屋はゴミ屋敷状態になっていた。(※画像はイメージです/PIXTA)

毎月100人超…「大阪市西成区」に集うのは

我々の元には、毎月100人を超える人が相談に訪れます。団体を立ち上げて8年。相談者の累計は1万人に上ります。事務所は、大阪市西成区の北部、あいりん地区のど真ん中にあります。よくテレビで取り上げられる萩之茶屋南公園(通称:三角公園)の目の前です。

 

場所柄、直接助けを求めに事務所を訪れてくれる人もいれば、府内の各市町村から「役所にこんな人が来ているんだけど、対応できないから相談に乗ってあげてくれないか」と紹介されることもあったりと、相談者はいろいろなところからやってきます。「ビックイシュー」のようなホームレス支援団体から相談が来ることもあります。

 

相談を受けた結果、「この人は生活保護を受けないといけないな」と判断したら、生活保護申請に同行します。役所での手続きに慣れていない場合もありますから、申し込みなども手伝います。

 

なかには、すんなりと「生活保護申請へ」と進むのをためらわれる場合もあります。たとえば、相談者が障害を持っていたり、借金まみれでどうにもこうにも首が回らなくなっている場合です。その場合は、しかるべき支援制度につなぎます。

 

障害を持っている方は役所の担当課へ、借金まみれの方は「法テラス」(国が設立した法的トラブル解決の総合案内所)へ紹介します。生活保護に限らず、相談者が生きるのに必要な支援制度を紹介するのが我々の仕事なのです。

 

 

坂本 慎治
NPO法人生活支援機構ALL 代表理事
大阪居住支援ネットワーク協議会 代表理事
株式会社ロキ 代表取締役