コロナの影響を受けた「失業者数」の知られざる真実
■失業者の数は「目に見える数字以上」に増えている
総務省が発表した2020年12月の労働力調査によると、完全失業者数194万人。前年同月に比べ49万人の増加であり、実に11カ月連続の増加となっています[図表1]。完全失業者数が増加に転じた「11カ月前」に何があったのか。やはり「コロナショック」です。
コロナによる解雇や雇い止めは、2021年1月までに8万人を超えました。観光業・飲食業を中心に、失業者が増えているのが実情です。
ここで忘れてはいけないことがひとつあります。「失業者」として数えられているのはあくまでも「ハローワークで失業認定を受けた人の数」であるという点です。前項で例に挙げた女性のように、リストラされてそのまま失意に暮れている人の数は、表には上がってきません。そう考えれば、失業者の数は現実には、統計の1.5倍はいるのではないかと私は見ています。
仕事がないから、お金が入らない。家賃も払えない。コロナショックによって仕事を失った「住むところがない人たち」が増えているわけです。