家計を管理してお金を貯めるには、「入ってくるお金」と「出ていくお金」に波があることを知っておくことが大切だといいます。本記事では、長い人生のなかでその波がいつ訪れるかを把握する方法を中心に見ていきます。※本連載は、福島えみ子氏と江尻尚平氏の共著『お金が貯まる!世帯年収500万円から始める共働き夫婦の超効率家計簿』(徳間書店)より一部を抜粋・再編集したものです。
「入ってくるお金」と「出ていくお金」の波を把握して、家計を管理する方法【FPが解説】 (※画像はイメージです/PIXTA)

「入ってくるお金」が大幅に減るタイミングと対策

出ていくお金と入ってくるお金には波があるというお話をしましたが、ここでは「入ってくるお金に大きな波があるとき」を考えてみます。まず、一般的に共働き家庭で収入の大きな波を経験するのが、出産・子育て時です。

 

出産前後の産休の期間、そしてそれに続く育児休業期間(育休)まで収入の減少が続くことが多いのですが、育休明けも子どもが小さいうちは短時間で働く「時短勤務」にすると、収入が低くなる期間がさらに続きます。

 

ただし、勤めている人の場合は、収入は低くなるものの全くストップするわけではありません。健康保険から、出産時には「出産育児一時金」「出産手当金」、そして育休期間も雇用保険から「育児休業給付金」が支給されるからです。なお、育児休業給付金は何も妻が育休を取るときだけに限らず、夫が育休を取ったときでも受け取れます。

 

フリーランス・自営業等では受け取れるお金が少し違ってきます。「出産育児一時金」は同じように受け取れるものの、「出産手当金」や「育児休業給付金」は受け取れません。国民健康保険(国保)からは、そうした給付のしくみが無いからです。

 

また、フリーランス等でいくぶん働き方が自由にできる人の場合は、子育ての間を縫ってペースを落として働くという人もいる一方で、働き方や出産子育ての状況によっては、収入がストップしてしまうという人もいます。自分の場合はいずれにあてはまりそうでしょうか?

 

こうした出産・子育て時期は、共働きのダブルインカムのパワーがダウンしがちなときですから、住宅ローンを精一杯組んでいたり、今までと同じような生活費のペースでいたりすれば、たちまち赤字家計に転落してしまうことにもなりかねません。

 

あらかじめ、自分達の場合はどのような状況が予想されるのか、自分達が受け取れそうな収入はどれくらいなのかをできるだけ早い時期に把握しておきたいものです。