確率的に優位なとき「のみ」勝負をする
さて、ごく短期でおこなうため上がる確率も下がる確率も五分五分ぐらいであるスキャルピングをし続けて、本当に勝敗が五分五分だった場合、どうなるでしょうか?
そう、支払う手数料の分、収支はマイナスになるのです。
そもそも、勝敗確率が五分五分の勝負をし続けるなど(楽しめればよいというなら別ですが、お金を稼ぐという目的ならば)、時間の無駄だといえます。
ですから、たとえ勝敗確率が五分五分に近いスキャルピングでも、手数料を考慮したうえで、いくらかでも勝率が高いと思うとき「のみ」、勝負をすることが重要です。それが少しであろうとも、勝つ確率が負ける確率を上回るならば、その賭けをし続けた場合、結果はプラスになっていきます。
市場全体が上昇傾向にある、好材料が出た直後である、まだ一般に広まっていない好材料となる得る情報を得た、売られすぎてどう考えても割安になっているなど、確率的に優位な状況で「のみ」勝負をするのが、スキャルピングのコツだといえます。
株式投資である以上、「大暴落」にも備えるべき
確率的に少しでも優位な勝負ならば、何度もやることで結果はプラスになっていきます。また、勝算の高いときに大きく賭ければ、利益も大きくなります(大きくなる確率が高いです)。
勝敗確率が五分五分に近く、ローリスク・ローリターンなスキャルピングでは、そんな取引をすることが勝つためのコツだといえそうです。
しかし、そんなスキャルピングでも、心のどこかで大暴落には備えておくべきではないでしょうか。
たとえば、「ブラックマンデー」と呼ばれた1987年10月19日月曜日には、たった1日で米国のダウ平均株価が22.6パーセント下落し、日本市場にも大きな影響がありました。株式市場は定期的に、大暴落を起こしているのです。そしてまた、個別銘柄も1日で大きく下落してしまうことが、やはりあるのです。
ですから、一定のルールに基づいた損切りをする(大暴落時に値が戻るのを待っているといつまでも売れません)、失敗したら破滅するようなレバレッジをかけないなど、それに備えておくこともまた重要だといえそうです。
■まとめ
手軽にできるスキャルピングでも、よく考えよう!
スキャルピングは、上がる確率も下がる確率も五分五分ぐらいで、そして時間の経過が短いため株価の変動幅が小さく、「運が良いだけで勝てる(逆に、運が悪いだけで負けることも)」「ローリスク・ローリターン」という特性を持つといえます。
ある意味手軽にできる投資手法ですが、勝つためのコツとして他に、手数料をちゃんと計算すること、確率的に優位なときのみ勝負すること、大暴落にも備えておくこと、が挙げられそうです。
株式会社ソーシャルインベストメント
取締役CTO
川合 一啓