フジテレビ系ドラマ『コード・ブルー』でも話題になったドクターヘリ。コロナ禍で航空需要が落ち込むなか、密かに投資対象としての注目が集まっていることをご存じでしょうか。本記事では、アエル・リーシング株式会社代表取締役の南康一氏が、ドクターヘリの概要を解説します。

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2.ドクターヘリが抱える課題は…

ドクターヘリは、朝8時半から日没まで運航されますが(夜間は運航されません)、この間に入ってくる119番通報の内容に応じて消防の判断によりドクターヘリの出動要請を病院に出します。

 

現在の日本における救急搬送は基本的に全額税金で賄われています。その費用として、年間約2億5,000万円/基地の補助金が厚生労働省と都道府県から支払われていますので、国民は費用の心配をせず安心して救急搬送や医療を受けることが可能です。

 

また、以前から指摘されている救急車を「タクシー代わりに使用」と言った問題も起きません。

 

ここまでだと一見何の問題もなさそうですが、費用の面では今なお多くの課題があります。

 

たとえば夜間飛行。先述したとおり日本では夜間飛行が行われていませんが、それは夜間のニーズがないからではありません。現に内閣府は『薄暮時間帯の交通事故防止について』のなかで、死亡事故が最も多く発生するのは17時台から19時台であると発表しています。

 

それだけ危険な事故が起きていながら、飛ばないのはなぜか。最たる理由が「費用」です。

 

夜間常にスタッフが常駐するわけですから、当然人件費は上がります。現在は昼間に飛んだ機体の整備を夜間に行っているため、夜間飛行を行う場合はスペア機体が必要になります。もちろん費用は膨大です。加えて、夜間飛行ができるヘリポートや暗視システム等、体制作りにも甚大なコストがかかります。

 

現在の費用規模と同じままでは、夜間飛行は不可能といっていいでしょう。国民が引き続き安心して使えることを担保しつつも、何らかの費用負担の仕組みは考えなければいけません。

 

 

南 康一

株式会社アエル・リーシング

 

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