ところ変われば、アパート経営も変わる……不透明感の増す昨今は、地域の特性を把握して、ニーズに即したきめ細やかな対応が求められています。そこで地域ごとのアパート経営の実情を探っていきましょう。第5回目は仙台。お話を伺ったのは、アイケンジャパン仙台の岡安輝明支店長と、管理部の齋藤涼支店長代理です。

仙台が「一棟アパート経営をしやすい」と評判の理由

左:アイケンジャパン仙台支店支店長岡安 ●●さん 右:アイケンジャパン仙台支店管理部齋藤 ●●さん
左:アイケンジャパン仙台支店支店長 岡安輝明さん
右:アイケンジャパン仙台支店工務部支店長代理 齋藤涼さん

 

新築アパート経営を成功させるために、留意すべき点はいくつかあります。その最たる例は、物件のロケーションです(関連記事:『なぜ「新築アパートの家賃」は、時間とともに下がるのか?』)。仙台のアパート経営では、どのような立地を選べばいいのでしょうか。

 

岡安 「仙台は人口100万人程度のコンパクトな街です。弊社は仙台駅へアクセスしやすいエリアを狙い、駅から徒歩10分圏内の土地にワンルームや1LDKのアパートを建てています。それ以外に、JR仙台駅から東西南北へ伸びている地下鉄沿線のエリアも人気があります。仙台の家賃相場は地方都市のなかでも高めですから、投資収益が見込めると思います」

 

齋藤 「私はまだ仙台へ赴任して数ヵ月なのですが、大企業の支店が数多くある街だな、という印象を受けました。また大学や専門学校などの教育機関も多く、人口に占める若年層の割合が高め。弊社物件の内装や設備は、特に若い方から好評ですので、入居率は良好です。いまのところすべて満室となっていますよ」

 

仙台駅へアクセスしやすいエリアかどうかがひとつの目安
アイケンジャパンでは、「仙台駅へアクセスしやすいエリアかどうか」をひとつの目安にしている

 

仙台の賑わいは、複数の在来線をはじめ、新幹線や地下鉄も乗り入れているJR仙台駅を中心に生まれているようです。立地を考える際、複雑な条件に頭を悩ませる必要がないので、一棟アパート経営を検討しやすいといえます。

 

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「デザイン性」が高い物件が、特に女性や学生から人気

次に、アイケンジャパン仙台支店が管理するアパートの入居者の特徴を伺いました。

 

岡安 「男女比を調べたことあるのですが、女性のほうが多いようですね。仙台支店の物件は、1LDKとワンルーム。ワンルームタイプの物件はメゾネットやスキップフロア付きの物件にしているため、デザイナーズを好む女性や学生から人気なのかもしれません。また1LDKの場合は、カップルで入居される方もいます」

 

齋藤 「私は仙台支店へ赴任する前、東京本社で働いていたのですが、東京から仙台までの所要時間が、新幹線でわずか90分程度だったのに驚かされました。そうした地の利もあり、出張族の会社員の方々も入居されていますね」

 

アイケンジャパンが建設する物件は、モダンなデザインとセキュリティ設備の充実がエリア内で高く評価されています。こうした物件価値が、若年層の多い土地柄に合致しているのです。

「地元で資産形成」とアパート経営に臨むオーナー多数

それでは、アイケンジャパン仙台支店が管理するアパートのオーナーは、どんな特徴を持っているのでしょうか。

 

岡安 「9:1くらい割合で、男性が多いという印象です。仙台の平均年収は大都市と比べ、決して高いとはいえませんので、会社経営者や士業、高収入の会社員の方など、社会的地位の高い方が中心ですね。関東在住のオーナーもいらっしゃいますが、現在は地元・東北で資産形成していきたいという方が中心です」

 

齋藤 「私も『何代かに渡って所有している土地を活用したい』という方が、弊社に相談に訪れているという印象を受けています」

 

なお仙台エリアで注目すべきなのは、金利の低さ。融資の際に「年収600~700万円以上、自己資金は総事業費の1~2割」という目安はあるものの、審査通過後の金利目安は1%台前半と、低い数値で推移しているそうです。ですので、手残りの金額もしっかり残ります。

自然災害への対応…「耐震対策」は充分で安心感が高い

一棟アパート経営の懸念事項となるのは、自然災害。仙台は2011年の東日本大震災の被災地です。アイケンジャパン仙台支店はこの問題に、どう対処しているのでしょうか。

 

岡安 「仙台は、実際に東日本大震災の被害を受けました。そのため、津波の脅威がある沖合から2km以内にはアパートを建築しない方針です。また過去に山を開拓して整備された街なので、崖が多くなっています。土砂災害の危険性が気になるので、安全が確保できる場所でない限り、建築を見合わせています」

 

またアイケンジャパンの物件は、杭工事を入れるなどの耐震対策を充分に施しているため、安心感が高くなっています。

 

岡安 「仙台では震災後に復興需要が高まり、多くの業者が進出しました。被災者向けの物件は増えたのですが『突貫工事仕上げ』という印象は拭えません。入居後に問題が生じるため、現在は空室が目立ち始めています。弊社アパートはそのような物件に対し『差別化できている』と感じますね」

仙台で今後注目が高まりそうな「2つのエリア」とは?

それでは仙台で、今後注目の高まりそうなエリアはあるのでしょうか? 投資家としては、非常に気になるところです。

 

岡安 「仙台では2015年に東西線という地下鉄が開通しました。ここ数年で沿線に商業施設や高層マンションが建ち始めており、認知度も上昇中。すでに弊社も沿線に何軒か建てているのですが、いずれも人気が高いです。今後が楽しみですし、地価も上がりそうです」

 

齋藤 「仙台駅からひと駅の距離にある、長町エリアも注目度が高いです。もともと何もないエリアだったのに、ここ10年くらいで大型商業施設や高層マンションができ始めているそうなので、期待が高まりますね」

 

被災を経て、着実な復興を実現しつつある、仙台。デザイナーズの香りが漂う洗練された物件を提供するアイケンジャパンは、その風土に新鮮な風を吹き込んでいるようです。興味を持ちましたら、仙台での不動産経営をぜひご検討いただきたいと思います。

 

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