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株式会社アイケンジャパン
連載人生100年時代の「新築アパート経営」【第4回】

なぜ「新築アパートの家賃」は、時間とともに下がるのか?

アフターコロナを勝ち抜くための新築アパート経営の条件①

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なぜ「新築アパートの家賃」は、時間とともに下がるのか?

老後資産の形成に有効な新築アパート経営ですが、失敗するオーナーが後を絶ちません。その多くが想定していた家賃収入が得らえれず、赤字経営に陥っています。なぜ、そのようなことが起きるのでしょうか。いくつかある要因のひとつが「家賃設定」であると、株式会社アイケンジャパン代表取締役の中島厚己氏は語っています。新築アパート経営の失敗に、家賃はどのような関係があるのでしょうか。

アパート経営で勝つための「ロケーション」とは

性別に関わらず、平等に活躍できる社会へと変化が進んでいるものの、いまだ男女間の給与には差違が残っています。「令和元年賃金構造基本統計調査」によると、30歳~34歳の男女の平均給与は次の通りでした。

 

30~34歳男性:29万円
30~34歳女性
:24万7千円

 

中島「事実、いまだに給与差があり、男性より女性のほうが平均所得が低い傾向がありますが、女性のほうが部屋探しにこだわりを持っています(関連記事:新型コロナ感染拡大…入居者ニーズはどのように変化したのか?。そんな女性に認められる物件を造ることで、入居者が絶えない、人気のアパートになるのです」

 

先日発表された、総務省統計局「家計消費単身モニター調査」(2020年7月)で男女別に住居費を比較すると、30~34歳で、男性43,472円に対して女性49,549円。給与差があるのに関わらず、女性のほうが住居にあてる金額は大きいという結果がでました。

 

アイケンジャパンは創業以来、男性よりも家賃にシビアで、かつ学生よりもこだわりを持った社会人女性をターゲットにした物件造りを徹底。その結果驚異の「入居率99%」を維持しています(2020年9月現在)。その数値を維持できている理由のひとつが、物件のロケーションだといいます。

 

中島「アイケンジャパンのアパートは、首都圏であれば最寄駅から15分、地方であれば10分以内の物件を作るよう心がけています。また、東京駅を起点として半径約40km以内にアパートを作ることで、土地の価値を保つことにも成功しています」

 

首都圏で40kmといえば、(電車を利用した)通勤1時間圏内。一方、福岡の通勤時間は平均37分、仙台であれば平均30分。社会人女性をターゲットにしているから、通勤圏内に物件があることはマスト。また都市ごとに通勤事情は異なるので、交通網の発達度合いや通勤平均時間を考慮し、通勤利便性を考慮した立地を選ぶことが重要なのです。

入居者にとって「お得な物件」を造る必要がある

新築アパート経営にとって、高い入居率を維持し続けるには、家賃設定が重要だと中島社長はいいます。

 

中島「家賃は安ければいいというわけではなく、入居者に『コスパがいい』と感じてもらえることが重要です。たとえば、地方で部屋探しをしている人が、ワンルーム6万円の物件を検討しているとします。そこに『あと5,000円出せば1LDKの物件に住めますよ』と言われれば、お得だと感じる人が多いでしょう」

 

実際、アイケンジャパンの女性社員のなかに「場所と間取りにこだわって、想定の家賃よりも5,000円ほど高い物件を選びました」という方がいました。つまり、こだわっているポイントを抑えている物件であれば、家賃が多少高くなってもしょうがないと考える人が多いのです。

 

物件探しの最優先項目は家賃ですが、ある程度妥協できるのも家賃。つまりコスパがいい物件と感じてもらえれば、家賃ではなく、物件そのものの価値、つまり「物件力」が決め手になるということになるのです。

新築アパート経営で大切なのは「適正な家賃設定」

中島「新築アパート経営の失敗談を伺うと、新築アパートだからといって相場よりも高い家賃設定をし、経年とともに家賃が下落しているケースがほとんどです。つまり家賃設定が適正でなかったということです」

 

中島社長がいうように、新築アパートの場合、「新築プレミア価格」として、相場より高い家賃設定にて販売する業者が後を絶ちません。しかし、新築でなくなったとき、当初の家賃収入を継続して得られる物件は少ないでしょう。

 

中島社長は家賃下落の要因として、以下の3つをあげます。

 

[家賃が下がる3つの要因]
要因1.そもそもの家賃設定が高すぎる
要因2.入居者ニーズを無視した物件(間取りや設備等)
要因3.経年による建物の老朽化

 

要因1は、新築プレミアムという考え方を排除することが必須です。要因2は、入居者ニーズに応える家賃設定や物件(間取りや設備等)で「コスパがいい」と感じ続けてもらうことで克服できます。要因3は定期的なメンテナンスやリフォーム等が必要になります。

 

下記にアイケンジャパンによるアパートと、周辺の同条件のアパートの家賃相場を比較したデータがあります。

 

それによると、アイケンジャパンの新築アパートは、周辺相場よりも平均して4,000円程度安いのに対し、築5年経過すると、その差は200円程度、ほぼ同等になります。さらに築6年目以降の物件で比較すると、アイケンジャパンのアパートのほうが平均して3,500円以上も家賃が高くなります。つまり、周辺のアパートは新築プレミアムによりそもそもの家賃が高く、経年により家賃の下落が止まらないのに対し、アイケンジャパンのアパートは、新築時から一貫して家賃が一定であることを意味します。

 

新築時 周辺相場>アイケンジャパン物件平均 差異平均+4172円
~築5年 周辺相場>アイケンジャパン物件平均 差異平均+266
築6年~ アイケンジャパン物件平均>周辺相場 差異平均-3512円​

 

出所:アイケンジャパンの物件と、同条件の周辺物件との家賃相場との比較表より一部抜粋
[図表1]新築物件における家賃の差異 出所:アイケンジャパンの物件と、同条件の周辺物件との家賃相場との比較表より一部抜粋

 

出所:アイケンジャパンの物件と、同条件の周辺物件との家賃相場との比較表より一部抜粋

[図表2]築5年までの物件における家賃の差異 出所:アイケンジャパンの物件と、同条件の周辺物件との家賃相場との比較表より一部抜粋

 

出所:アイケンジャパンの物件と、同条件の周辺物件との家賃相場との比較表より一部抜粋

[図表3]築6年以上の物件における家賃の差異 出所:アイケンジャパンの物件と、同条件の周辺物件との家賃相場との比較表より一部抜粋

 

中島「弊社では新築プレミアムを設定しておらず、他の物件にはない設備や間取り、デザイン、防音対策、管理力などのおかげで、築年数が経っても家賃が下がらない傾向にあると考えています」

 

コロナ禍で激変するなか、入居率99%をずっと続ける新築アパート経営のためには、アイケンジャパンが実践するような「コスパがいいと感じてもらえる家賃設定」、そしてそもそも「家賃の下がらない物件造り」が絶対なのです。

 

次回、入居者に「コスパがいい」と感じてもらえるための「物件力」についてみていきます。

株式会社アイケンジャパン 代表取締役

1965 年(昭和40年)、大分県生まれ。不動産業界歴35年。アパート経営歴20年、5棟経営中。
1985年賃貸会社に入社。仲介業の立場から、12年間業界の経験を積む。1997年アパート販売会社に入社し、9年間、建築企画のノウハウを蓄積。経営者・オーナー・賃貸ショップ・管理会社それぞれの視点からアパート投資をみた結果、「堅実なアパート経営」こそ成功への近道だと確信。
2006年に(株)アイケンホームを設立、2014年に(株)アイケンジャパンに商号変更し、現在に至るまでの14年間変わらぬ姿勢で堅実なアパート経営を提案し続けている。
これまでに約900棟のアパートを販売。
創業以来、年間平均入居率99%以上を維持しているアパートは、成功オーナーを輩出し続け、オーナーから厚い信頼を得ている。

著者紹介

連載人生100年時代の「新築アパート経営」