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新型コロナウイルスのワクチンに関する前向きなニュースを受けて、株式市場が上昇した一方、金は下落しています。ポジティブなニュースはでているものの、新型コロナウイルスを巡る状況については引き続き不透明感が残ることから、資産分散によってリスクの低減を図ることを意識することも重要と考えます。
新型コロナウイルス・ワクチン開発への期待が高まり株式が上昇、金は下落
2020年11月9日、米医薬品大手ファイザーとドイツのバイオテクノロジー企業ビオンテックは、両社が開発を進めている新型コロナウイルスのワクチンの治験において90%を超える確率で予防効果があったとの初期データを発表しました。また同日、米国のバイオテクノロジー企業ノババックスの新型コロナウイルスワクチン候補についても米食品医薬品局(FDA)からファストトラック(優先承認審査制度)指定を受けたことも発表されました。
新型コロナウイルスのワクチン関連の前向きなニュースを受けて、ワクチンが早期に実用化され、経済活動が早期に正常化するとの見方が広がり、世界の株式市場は大きく反発した一方、金や先進国の国債などは下落しました(図表1参照)。
株式市場や金価格の極端な変動の背景には、米大統領選を終えてワクチンの実用化やそれに伴う世界経済の早期の回復、一部の中央銀行による金融緩和策見直しの動きなどまで一気に織り込むような動きになったものと考えられます。
新型コロナウイルスの感染動向は依然として不透明要因
新型コロナウイルス・ワクチンで有効な治験結果が示され、世界経済の先行き不安が軽減されたことや、米国選挙の大勢が判明し不透明感が払しょくされたことは、株式市場にとって明るい材料となっています。
一方で、現在、新型コロナウイルスの感染者数が欧米をはじめ世界的に急増、一部の国では医療体制もひっ迫し、依然として予断を許さない状況にあります。また年内にワクチン開発が成功しても、ワクチンが世界中に行き届くまでには時間がかかる可能性があるほか、ウイルス変異のリスクも指摘されています。新型コロナウイルスの感染状況次第では、株式市場にとって重石となる可能性もあります。
また、株式市場では、新型コロナウイルスの感染拡大以降、市場をけん引してきたIT・ハイテク銘柄やeコマース関連などの株式が下落していることなどを踏まえると、極端なリスク・オンの動きが継続するのかどうか注視が必要でしょう。
前向きなニュースを評価しながらも、悲観的にはならないまでも、慎重な姿勢を持つことも必要であり、こうした環境下だからこそ、資産分散によってリスクの低減を図ることを意識することが重要と考えます。
その意味において、現在、資産分散の対象資産のひとつとして注目されているのが「金」です。9日の金価格は下落しましたが、1日1日の動きに左右されず、互いに異なる動きをする株式と金を合わせて持つことで、分散効果を期待することが可能と考えます。
株式と金に分散投資する意味
株式と金は異なる動きをする傾向があり、両資産に分散投資することで分散効果が期待されます。
2015年10月末から2020年11月9日までの世界株式と金、そして世界株式に50%、金に50%投資(世界株式50%+金50%、毎月末に組入比率をリバランス)した場合のパフォーマンスを示したものが、図表2です。
おおよそ5年間のパフォーマンスは分散効果により世界株式50%+金50%が世界株式、金を数%上回っています。また、2016年に世界株式が下落した局面や、2018年に金が下落した局面でも、分散効果が発揮されたことが見てとれます。
なお、ピクテでは金の長期的見通しおよび5年後見通しは引き続き強気の見通しを維持しています。しばらく通貨供給量の拡大を伴う金融緩和が継続することや、ドル安傾向は、金相場にとってサポート要因となると考えられます。
ただし、先進国では当面金融緩和政策の継続を想定していますが、仮に金利が上昇する局面があれば金価格の変動も想定されます。したがって金だけに集中投資するのではなく、購入時期を分けるなど時間分散なども組み合わせ、金の組み入れを検討していただく時期にあると考えています。
※将来の市場環境の変動等により、上記の内容が変更される場合があります。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『ワクチンへの期待から株式市場上昇、金は下落』を参照)。
(2020年11月11日)
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