さらに供託金300万円も必要になります。これは売名などを目的とした出馬など、無意味な立候補を防ぐための制度で、一時的に法務局に預けるお金です。規定された得票数を超えれば選挙後に返還されますが、規定数に達しなかったり、途中で立候補を取り下げたりすると没収されます。
このように考えると、確かに「満30歳以上の日本人であれば誰でも知事になれるチャンスはありますが、実際にはある程度の資金力が必要とされるということになります。
また都道府県の知事は、圧倒的に官僚出身者が多く、実に6割にものぼります。実際に地方行政にあたるとなると、行政や国政での実績があるほうが当然優位でしょうし、政府や中央省庁とパイプがあるほうが、スムーズな行政運営が行えるでしょう。
最も給与の高いのは「神奈川県」で145万円
2020年、新型コロナという未曽有の危機を前にした対応で注目された、都道府県知事。非常に大きな重責を担っていますが、その報酬は当然税金。ときに「ファーストクラスで海外視察」とか「公務で高級外車を購入」など、知事の周辺でニュースになることもあるので、住民としては「どれくらいもらっているのか」気になるところです。
そこで総務省「地方公共団体別給与等の比較」(平成30年)から、都道府県知事の給与についてみていきましょう【画像:都道府県別「知事の給与」ランキング】。
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47都道府県で最も月額給与が高いのは「神奈川県」で145万円。「埼玉県」142万円、「千葉県」139万円、「広島県」138.9万円、「福岡県」135万円と続きます(図表1)。
一方で最も月額給与が少ないのは「東京都」で72.8万円。「秋田県」96.8万円、「徳島県」97.5万円、「三重県」102.4万円、「岡山県」103.2万円と続きます。
国家に匹敵するほどの規模である東京都の知事が最下位というのは驚きかもしれませんが、2016年、小池百合子都知事は、東京都知事の給与を年収約2896万円から年収約1448万円に半減する条例案を自ら提出、可決されました。「身を切る改革の姿勢を示す」という選挙時の姿勢を実行したカタチです。
実際、自身が住む地方の知事の給与は、意外と多いのか、それとも意外と少ないのか、どちらでしょうか。
知事の給与と、総務省では毎年行っている「地方財政状況調査」による財政力指数との相関係数は「0.97」。非常に強い相関関係にあります。つまり国に頼らずして地方行政が運営されている自治体では知事の給与は高く、国に頼らないと行政運営もままならない自治体は知事の給与は低い、ということ。自治体の懐事情=知事の給与、というわけです(図表2)。