豪州中銀は政策金利据え置き
市場は11月会合の利下げを予想
■豪州準備銀行(RBA)は、10月6日に開催した金融政策決定会合で、政策金利のキャッシュレート及び3年国債の利回り目標を0.25%に据え置きました。当初市場では、8、9月会合において緩和的な姿勢を強めていたことにより、今会合における追加緩和が予想されていました。しかし、その後RBAは連邦政府予算案の内容を見極める意向との見方が強まり、市場予想も据え置きへとシフトしていました。
■声明文では、「どのような追加的な金融緩和が雇用を支えられるかを検討し続ける」と前月よりも若干具体的な表現を用いつつ、緩和的な姿勢の維持が示されました。市場では11月会合における追加利下げとの見方が依然強いようですが、新型コロナウイルス拡大が収束しつつあることなどを背景に、様子見との見方も出ています。
過去最大の財政赤字を想定
実質GDP成長率は回復予想
■また、同日夜には2020~21年度の連邦政府予算案が発表されました。過去最大の財政赤字となることが示されましたが、事前に報道されていた内容も多く、大きなサプライズとはなりませんでした。
■経済見通しにおいて、実質GDP成長率は今年度▲1.5%まで落ち込んだ後、来年度には+4.75%へと回復するとの予想が示されました。
豪ドルは当面横ばい推移か
■足元、豪州では新型コロナの感染拡大が抑制されてきており、緩やかな景気回復が予想されます。こうした状況のもと、中長期的に見た豪ドルの上方トレンドは今後も継続していくと見られます。しかし、大統領選挙を前にして米国金融市場が神経質な動きとなる可能性が高まっていることに加え、RBAの追加緩和観測も豪ドルの上値を抑えると見られます。短期的な豪ドル相場は横ばいでの推移が予想されます。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『豪ドルは当面横ばいを想定(2020年10月)』を参照)。
(2020年10月8日)
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