米雇用者数は66万人増加
米失業率は7.9%に低下
■米労働省が10月2日に発表した9月の雇用統計によれば、市場の注目度が高い非農業部門雇用者数は前月比66.1万人増と、5ヵ月連続で改善したものの、事前の市場予想(86万人増)を下回りました。米国の雇用は経済活動の再開に伴って改善が続いていますが、今回は改善の幅が小幅にとどまり、雇用回復の足取りが鈍くなっています。
■一方、失業率は7.9%と、前月の8.4%から0.5ポイント低下しました。失業率の改善は5ヵ月連続で市場予想(8.2%)を上回りました。
株式市場はトランプ大統領のコロナ感染を受け下落
■2日の米株式市場でダウ工業株30種平均は前日比134ドル安の27,682ドルで引けました。トランプ大統領が新型コロナウイルスに感染したことが明らかになり、米大統領選の先行きに不透明感が強まったことや、米雇用者数が市場予想を下回ったことが嫌気されました。労働市場や新型コロナの感染再拡大の懸念が残るなか、大統領選におけるトランプ大統領の敗北を市場は警戒している模様です。
トランプ大統領の病状が注目される
■リアル・クリア・ポリティクスがまとめる世論調査平均(10月4日時点)によれば、トランプ大統領のコロナ感染を受けて、大統領選のバイデン氏のトランプ氏に対するリードはさらに拡大しました。株式市場はバイデン氏勝利を警戒していますが、仮にバイデン候補が当選し、大統領も議会も民主党が押さえると、財政支出が増え、景気が活発化することによって、経済が正常化に向かうとも考えられ、株式や長期金利の上昇につながる可能性もあります。このように、選挙結果に影響し、金融市場にも大きな影響が及ぶ可能性があるため、トランプ大統領が早期に治癒出来るか、選挙にどういった影響が出るかは極めて重要で、注目が続くと思われます。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『米雇用者数は予想を下回る(2020年9月)』を参照)。
(2020年10月5日)
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