特定の医療機関に従事していると、報酬や仕事の内容は少なからず限定されてしまいます。しかし、空いている時間にアルバイトをすることで経験値を高め、効率よくお金を稼ぐことは可能です。「アルバイトが医師を育てる」という意見もあります。研修医を経て臨床経験が豊富になってきたら、その事業や知識を活かし、ぜひ副業に進出してみましょう。※本記事では、中島正明税理士・社労士事務所の中島正明氏が解説をします。

医師のバイトは何がある?日給はいくら?副業で稼ぎたい人必見!

常勤先の就業規則に気を付ける必要はあるものの、医師でも勤務時間以外にアルバイトをすることは可能です。全くの異業種に進出するより、自身の知識経験を活かせる仕事を探す方が、より効率的。一般的なアルバイトに比べ、はるかに高い報酬が得られるでしょう。

 

また近年は結婚、出産などで常勤から離れていた女性医師が、復職前のステップとしてアルバイトを活用するケースも、増えているようです。

 

では医師のバイトにはどのような種類があるのか、以下に見ていきましょう。

 

①【健診】

●日給:平均約4万5000円

 

●勤務形態:日勤(午前、午後、1日)※週1回~、曜日を選ぶことも可能

 

●内容:検診や人間ドッグのアルバイトには、外来、問診、聴打診、そして判定や説明が含まれます。求人は『常勤で所属する診療科を問わないもの』から『専門的な技術を求めるもの』まで、多種多様となっています。求人元は一般病院や診療所、そして企業/学校健診を行う予防医学センターなど。特に近年、企業検診の需要は高まりを見せているので、シーズン前には好待遇の求人を発見しやすいはずです。その分競争率も高くなるので、早めに情報を探し始めておくとよいでしょう。

 

②【外来】

●日給:平均約9万円

 

●勤務形態:日勤(午前、午後、1日)※週1回~、曜日を選ぶことも可能

 

●内容:医師のアルバイトの中でも、臨床経験の年数が求められます。例えば地域密着型の診療所に採用された場合、曜日などをフィックスして外来を担当することになりますが、例えアルバイトでも、患者からは『かかりつけ病院の医師のひとり』とみなされることになります。日給10万円以上を提示している求人も多いのですが「その分責任は重く、就業も長期化する」と考えておくべきかもしれません。もちろん応募の際は、常勤で所属する診療科を意識します。

 

③【病棟管理】

日給:平均約9万円

 

勤務形態:日勤(午前、午後、夜勤、1日) ※週1回~、曜日を選ぶことも可能

 

内容:医師が病棟管理のアルバイトをする場合、担当するのは『長期入院患者の管理や急変時の対応』、『手術前後の患者の管理』などです。臨床経験の年数が問われますが、内科であっても外科であっても、幅広い診療に対応可能であれば、特別な専門性は求められないようです。勤務時間は病院によりさまざまですが、やはり夜間勤務の場合は、待遇も良くなる傾向があります。

 

④【麻酔】

●日給平均約10万円

 

●勤務形態:日勤(1日) ※週1回~、曜日を選ぶことも可能

 

●内容:手術の中でも執刀医と同等に重要な役割を果たす麻酔科医は、全国的に人数が不足しているため、アルバイト求人が数多く見られます。もちろん応募の際には、資格取得済みの標榜医以上であることが、求められるでしょう。麻酔のアルバイトは待遇も良く、日給5万円を下回る求人はあまり見かけません。ただし午前のみ、午後のみという勤務形態はあまり一般的ではなく、終日在院できることが求められています。

 

⑤【カウンセリング】

●日給平均約8万円

 

●勤務形態:日勤(1日) ※週1回~

 

●内容:ここまで紹介してきた医師のアルバイトの種類の中でも、カウンセラーの求人はそ「れほど多くありません。また診療科目も多彩とは言えませんが、AGAや脱毛クリニックはその筆頭に挙がります。「施術が皮膚に与える影響などを患者に説明する」のはもちろん、患者の希望を聞き取りつつ「施術内容や料金プランを紹介する」ことも仕事に含まれます。また精神科が応募を募っていることもあります。常勤している病院ではカウンセラーと連携を図っている医師が、アルバイトの際にカウンセラーの役割を担ってみることで、新たな気づきが生まれるかもしれません。

 

⑥【塾講師/家庭教師(医師向け)】

日給:平均約1万5000円

 

勤務形態:日勤(午前、午後)※週1回~

 

内容:こちらもあまり求人は多くありませんが、医師を目指す学生の指導にあたるアルバイト。知人や母校の教師から紹介が発生するケースもあります。他の職種に比べると報酬が落ちてしまうものの、研修医師や免許を持つ大学院生でも応募が可能。また近年はオンライン授業に対応している求人元も多いため「自宅に居ながら副業できる」という意味では、働きやすいかもしれません。

 

上記以外にも『在宅医療』や『透析管理』、そして『内視鏡検査』など、専門性の高い内容の求人も存在しているので、自分自身のスキルや知識経験に合う内容を探してみると良いでしょう。

医師のバイトはどうやって探す?スポットで働けるおすすめサイト一覧

医師が「アルバイトを探そう!」と決意したら、どう動き出すべきなのでしょうか。近年一般的なのは、他の職種同様、インターネット上の求人サービスの活用。医療職に特化した、医師向けの専門サービスが用意されています。

 

①民間医局

株式会社メディカル・プリンシプルが運営するサービス。年間約5万件以上の求人を成約させている実績があり、全国に17の拠点を展開する大手です。「医師と医療機関の双方にとって最高の出会いとなるように」という理念のもと、非常勤だけでなく転職先の紹介も行っています。また医師だけでなく医学生もサポートするほか、女性医師の復職支援も積極的に行っています。

 

公式サイトが運営されており、求職者は会員登録を済ませれば、アルバイト求人の検索や応募が可能となります。転職希望の場合はさらに手厚く、専任エージェントが希望に合う求人の提案から入職後のアフターフォローまでを提供してくれるようです。

 

②MRT

株式会社MRTが運営するサービス。すでに20年の歴史があり、3万人以上の医師がサービスに登録しているようです。また東京、名古屋、大阪、そして福岡に営業所も展開しています。同社は「貴重な人的資源である医師を全力でサポートし、社会に貢献する」ことを、企業理念として掲げています。

 

公式サイトが運営されており、求職者は会員登録を済ませれば、アルバイト求人の検索や応募が可能となります。需要の高い内科・外科の求人から、眼科や健診、そして美容外科まで、幅広いジャンルをカバー。また勤務ごとに貯まるポイントシステムも用意されています。

 

③m3

エムスリー株式会社が運営するサービス。同社は医療従事者のために、インターネットを活用したさまざまなサービスを提供中で、医療情報サイトや、海外向けコミニュティサイトなども運営しています。

 

そのスタートは2003年で、すでに90万人以上の医師が何らかのかたちで同社のサービスを活用した実績あり。ウェブ上で会員登録を済ませれば、アルバイト求人の検索や応募が可能となります。

 

読み物コンテンツが充実しており、学会速報や『m3クイズ』なども随時更新中。情報発信に特化したアプリ『m3.com』もリリース済なので、インストールするのも良いでしょう。

 

④その他の方法

医師専門の求職サイトは、上記で紹介した以外にも多数存在しています。サービス実績や利用者からの口コミ評判なども参考にしつつ、幅広く情報収集へ役立てていくと良いのではないでしょうか。

 

またそれ以外にも先輩や同僚、過去の恩師など、既知の医療関係者から紹介を受ける方法があります。昔ながらのやり方ではありますが、最も確実なため、求職法としてはいまも健在なのです。

 

メリットとして挙げられるのは、双方がお互いの人柄や働きぶりを知っていること。「この人なら大丈夫」という信頼関係が基盤にあるため、話がスムーズです。ただしその信頼を裏切らないよう、責任感を持って就業することが、基本前提ともなっていくでしょう。また、当日や数日以内の急な依頼で、スピーディに稼げるのも紹介の特徴です。

 

もちろん普段の勤務態度に問題があると、割の良い紹介はめぐってきませんので、常勤先での仕事をきちんとこなす姿勢が大切となってきます。

高額な医師バイトで手っ取り早く稼ぎたい!コスパのよいスポットバイト大公開

本記事では、医師のアルバイトの種類や求職法をまとめてきました。

 

最後に「長期間続けるのではなく、短期間でたくさん稼ぎたい」と考える場合におすすめの内容を紹介しましょう。

 

①盆暮れ時期の日当直

夏季/冬季休暇を取る医師が続出すると、病院は人手不足状態に陥ります。その傾向は、特に地方都市で強く見られるため、コストパフォーマンスを重視する人は、要注目。

 

数日間の日当直で数十万円の報酬が得られるほか、交通費も全額支給されます。地方都市の医療現場を担当することで、自分自身の経験値も高まっていくに違いありません。

 

②リゾート地の応急処置

夏の海や冬の山など、シーズン中のリゾート地で必ず発生する事故やケガなどの応急処置にあたるのが、仕事です。1日の拘束時間は長いものの、何の対応も発生しない平和な日も少なくはありません。常勤先が固定されている医師にはなかなか検討が難しいアルバイトではありますが、転職や離職期間中であれば、検討の価値があります。

 

なお求人元の自治体や企業により、待遇には差があるので、内容は精査するようにしてください。

 

③離島での医療従事

本土から離れた場所に位置する離島では、医師への需要が高くなっています。このためアルバイト求人は、常に存在しているようです。

 

また特別な専門性より、総合医としての働きが求められる傾向が強いのも、離島医療の特徴。もし「自分の力ではどうしようもない」と判断した場合、本土の病院と連携を図ることは可能です。

 

期間として、1ヶ月以下の求人はほとんどありません。しかし年収で1000万円以上を提示する求人も多いため「一定期間、特別な地域医療に携わる」という志がある人には、ぜひおすすめしたい内容です。

 

 

中島 正明

中島正明税理士・社労士事務所

 

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