急成長を続けている東南アジア経済。それに伴い、東南アジアを取り巻く環境も日々変化している。今回の連載では、キャピタル アセットマネジメント株式会社が、新型コロナウイルスの制圧に奏功したベトナムの動向など、最新の東南アジア事情について紹介する。

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局地的ロックダウンで、感染者の90%以上が回復

ベトナムでの新型コロナウイルス感染症の第1波来襲は今年2月から3月末でしたが、感染拡大防止に成功したベトナム政府は、4月には外出制限を全国的に解除しました。しかし、7月下旬に中部都市ダナンを中心に再び市中感染が拡⼤したことで、第2波到来を認めざるをえませんでした。

 

第2波で省中感染者が出た市・省
第2波で省中感染者が出た市・省

 

政府は第2波では全国的なロックダウンをせず、感染者がいる地域だけをロックダウンし、全国民には、できる限り外出を自粛して自宅で過ごすよう求めました。一方、感染拡⼤地域では、厳しい外出制限などが実施されました。その結果、8月下旬以降には新規感染者が1日あたり数人程度にとどまるようになり、現在では新型コロナウイルス感染症の拡大を封じ込めたといえる状況です。

 

10月2日現在の累計感染者数は1,095人であり、死者は35人にとどまっています。市中感染数は30日連続ゼロとなっており、新規の感染者は海外からの帰国者と入国した外国人です。

 

※10月2日現在
※10月2日現在

 

このような思い切ったコロナ対策が功を奏し、街にはすっかり普段の日常生活が戻っており、経済活動が再開し急速に復調しています。第2波で省中感染者が出ていない市・省は、新常態(ニュー・ノーマル)に戻りました。

 

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マスクの着用や手指の洗浄・消毒…感染対策は万全

ハノイ、ホーチミン、ダナン、ハイズオン、クアンナムなどの新規感染者が出た省や市でも、徐々に社会的隔離措置が緩和されています。具体的には、ハノイとホーチミン市は8月末からバーやカラオケなど不要不急のサービスを除いて生活・経済活動は通常に戻りました。もちろん、マスクの着用や手指の洗浄・消毒等、感染防御対策は継続されています。

 

9月7日からは、ホーチミン市でバー、カラオケ、クラブ等のサービスが営業再開できることになりました。ハノイも9月16日からこれらのサービスを営業再開しています。クアンナム省でも、6日から不要不急のサービスについて営業再開が許可されました。

 

ハイズオン省では8月28日から社会的隔離措置が緩和され、不要不急のサービスを除き生活・経済活動は通常通りとなりました。9月15日までに、ハイズオン市で封鎖されたクラスター発生住宅8つのうち7つは、隔離命令が解除されました。

 

また、新型コロナウイルス感染症の第2波の震源地となったダナン市では、9月5日から社会的隔離措置が緩和されています。不要不急のサービスは引き続き営業停止となっていますが、公共交通機関は7日から運行再開しています。

 

さらに、ダナン市を出発する公共交通機関に適用されてきた社会的距離に関する制限も、13日に解除されました。ただし、公共交通機関を利用する際には、社会的距離の確保や手洗い、健康申告、マスクの着用は徹底することが求められ、飲食やコミュニケーションも控えなければならないとされています。

 

ダナン市での企業が営業再開
ダナン市での企業が営業再開

 

9月5日、ダナン市とクアンナム省の一部を除き、全国で入学式・始業式が実施され、幼稚園児から高校生までの約2,300万人が新年度を迎えました。校門では感染防止の対策が継続されています。9月23日には治療中の最終感染者が治癒するとの発表があり、25日から同市は通常に戻りました。

観光誘致は国の戦略の下、年末シーズン需要獲得へ

世界的に新型コロナウイルス感染症によって貿易が落ち込む中、米中の政治的対立に巻き込まれたくないグローバル企業は、サプライチェーンの「脱中国化」を進める上で、ベトナムを頼りがいのある国として見ています。政府は、世界各国の経済がマイナス成長に落ち込むのが予想される今なお、今年の同国の経済成長率を世界最高水準のものにすることを目指しています。

 

グエン・スアン・フック首相は9月11日に開催された新型コロナウイルス感染症対策に関する会合で、第2波が収束している現状を踏まえ、対策を継続すると同時に経済復興にも尽力することの必要性を強調しました。この方針に従い、関係省庁も経済活動の正常化と発展を促進するよう励んでいます。

 

運輸省は、ベトナム航空が9月18日にベトナムから日本への片道便を再開することを許可しました。往復国際線の開通については、所管官庁が現在検討中です。観光活動についても、観光産業は「大量需要を刺激するのではなく、各々潜在的観光客が選ぶ観光目的地を具体化し、観光客の不安を徐々に解消した上で、年末の観光シーズンに備える」かたちで観光刺激プログラムを再活性化しようとしています。国内航空各社もチケット価格を引き下げ、新しいルートを開き、サービス品質の向上に努めています。

 

貿易活動については、新型コロナウイルス感染症の影響を受けたものの、ベトナム統計総局が発表した8月の輸出額は265億ドル(前年同月比+2.5%)、輸入額は230億ドル(同+2.8%)で、いずれも前年を上回り、単月の貿易収支は35億ドルの黒字でした。この結果、1-8月期の累積輸出額は1,741億ドル(前年同期比+1.6%)、輸入額は1,622億ドル(同-2.2%)で、貿易収支は119億ドル(同+117%)の黒字となっています。

 

9月4日に発表された同国の外貨準備高も920億ドルとなり、過去最高額を更新しています。貿易の好調さに加え、海外直接投資(FDI)の流入に支えられおり、首相は年末までに1,000億ドルを目指すとしています。

 

中央レベルから地方レベルにつながる強力なリーダーシップと、イノーベイティブな企業のイニシアチブにより、ベトナム経済は今年2.0〜2.5%(政府目標)の成長率が見込まれています。

 

 

キャピタル アセットマネジメント株式会社

 

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