11会合連続で利下げ
政策金利は4.25%へ
■9月24日、メキシコ銀行(中央銀行)は金融政策決定会合を開催し、政策金利を0.25%引き下げ、4.25%としました。利下げは11会合連続で、2016年9月以来の低い水準となりました。
■先月、同行のディアスデレオン総裁が利下げの可能性を示唆していましたが、直近発表された8月の消費者物価指数が前年同月比+4.05%と、中央銀行の政策目標の上限(4%)を上回ったことから、利下げに対する見方は分かれていました。同行は、足元の物価上昇を認めつつも、1~2年先の期待インフレ率を3%と予想したことから、新型コロナの感染拡大で大幅に落ち込んだ経済に対応し、追加利下げに踏み切ったと考えられます。
新型コロナ禍によって、景気は大幅に悪化
■メキシコの4-6月期実質GDP成長率は前期比▲17.1%と大幅な落ち込みとなり、先月26日、メキシコ銀行は20年の実質GDP成長率見通しを▲8.8%~▲12.8%と発表しました。
■メキシコ経済も新型コロナの影響を強く受けており、今回の声明でも「経済活動は6月から7月にかけて回復し始めたものの、不確実性とダウンサイドリスクがある」と指摘されました。
メキシコペソは新型コロナを警戒しつつ、景気回復を織り込む
■メキシコペソは7月以降、世界的な景気回復期待の高まりを背景に反発してきました。世界経済は各国・地域の積極的な金融・財政政策によって緩やかに回復すると考えられ、メキシコペソは今後も堅調な展開が見込まれます。但し、新型コロナの感染再拡大や米中摩擦の先鋭化などからリスク回避的な動きが強まれば、メキシコペソの上値が抑制されると考えます。また、メキシコ国内の物価上昇については注意が必要と考えます。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『メキシコ銀行は11会合連続の利下げを実施』を参照)。
(2020年9月28日)
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